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【育児中の方へ】かかりつけ薬剤師とは?現役薬剤師がメリット・デメリットを解説

こどもの病気でよく薬局に行くお母さんは、「かかりつけ薬剤師」というワードを聞いたことがあるのではないでしょうか。

「かかりつけのお医者さんはよく聞くけど、かかりつけ薬剤師もいたほうがいいの?」「具体的にどんな制度なの?」「急いでて同意してしまったけど、結局よくわかっていない……」そんなモヤモヤを抱えている方もいるかもしれません。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

現役薬局薬剤師として、現在200名以上のかかりつけ患者さんをサポートしている筆者が、育児中のお母さんに向けて「かかりつけ薬剤師」を解説いたします。

この記事を読めば、いつもの薬局でかかりつけ薬剤師をお願いしてみよう!という気持ちになるかもしれません。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

かかりつけ薬剤師とは?

かかりつけ薬剤師は、自分の担当になる薬剤師を指名できる制度です。たとえば、美容室でいつも同じ美容師に担当してもらう方は多いですよね。同じように、薬局でも毎回同じ薬剤師に担当してもらえます

2016年からはじまった制度で、さまざまなメリットがあるため国も勧めています。[1]

かかりつけ薬剤師のメリット5選

かかりつけ薬剤師のメリットはたくさんあります。今回は、実際にかかりつけ薬剤師として働いている筆者が、おすすめのメリットを5つご紹介します。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

とくに育児中の方に嬉しいメリットもありますので、ぜひ参考にしてください。

夜間や休日も対応

育児中の方であれば、夜間にこどもが熱をだしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか

薬剤師ライター

福田 愛海さん

「どう対応したら良いの?手持ちのお薬はあるけど飲ませてもいいのかな……」と思ったことはありませんか?

そんな時にかかりつけ薬剤師がいれば、夜間や休日であっても、いつでも電話で薬剤師に相談ができるのです。ただし24時間365日1人のかかりつけ薬剤師が対応、というわけにもいかないので、同じ薬局の別の薬剤師が対応する場合もあります。

薬局の開局時間内であれば、処方箋がなくても薬局に行き、対面でかかりつけ薬剤師に相談もできますよ[2]

相談しやすい環境

毎回同じ薬剤師が担当するため、安心感があり、気軽に相談できます。「主治医の先生には言いにくいな」ということも「いつもの薬剤師さんになら相談してみようかな」と思えることもあるかもしれません。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

実際筆者も「病院で先生には聞けなかったんだけど……」といった相談を受けることもよくあります。

お薬のことに限らず、サプリメントや食事についてなど、不安なことは何でも聞いてみましょう

個人に合った指導や対応

患者個人の特徴や背景なども理解しているため、より細やかな指導が受けられます

たとえば、常に同じかかりつけ薬剤師が対応をすることで「この子は粉薬よりもシロップ剤の方が飲める」と事前に把握できるため、毎回薬剤師に同じ説明をする手間が省けます。

話が通じやすく時間短縮につながるため、こどもがぐずった時も早めに帰宅できるかもしれません。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

大切なこどもについて細かいところまで理解した薬剤師がいると、育児中の安心にもつながりますよね。

経験を積んだ薬剤師が対応

かかりつけ薬剤師になるには条件があり、誰でもなれるわけではありません。いくつか例を挙げてみましょう。

  • 3年以上の薬局勤務経験があること
  • 「研修認定薬剤師」という認定を取得していること など [3]

上記のような条件をクリアした人だけが、かかりつけ薬剤師になれます。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

つまり、かかりつけ薬剤師を指名することは、しっかりと研修を受けた経験豊富な薬剤師が困った時に対応をしてくれるということです。より安心してお薬を飲めそうですよね。

薬の一元管理

複数の病院に通っていても、すべてのお薬を1つの薬局で管理することで、同じお薬や飲み合わせの悪いお薬が一緒に出てしまう事態を防げます。名前が違っても同じ成分が含まれているお薬もあるため、自己判断せずに必ず薬剤師に確認してもらいましょう

また、毎日お薬を飲んでいるつもりでも、いつ処方されたか分からないお薬が家に余っているという方もいるのではないでしょうか。こどもの体重の変化によって、薬の服用量が変わる場合もあります

「家に余っている薬をこどもに飲ませていいのかな?」と迷った際は、ぜひかかりつけ薬剤師に相談してみてください。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

一緒にこどもが服用すべき薬を考えたり、薬局で薬の処方日数の調整をしたり、家で薬を管理しやすくなるお手伝いをしてくれるかもしれません。

かかりつけ薬剤師のデメリット

かかりつけ薬剤師には、メリットだけではなくデメリットもあります。理解した上で同意できるように、デメリットについてもお伝えしていきます。

メリットとデメリットどちらも理解したうえで、自分に必要かどうかを判断していきましょう。

負担額が増える場合も

かかりつけ薬剤師を指名すると、負担額*が増えます。3割負担の方で、1回に60〜100円程度増額になります。保険の内容などによっても異なりますので、詳しくは薬局で聞いてみるといいでしょう。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

薬局での支払いが全て保険でまかなわれる方は、かかりつけ薬剤師の同意によって、支払いが発生することはありませんので、ご安心ください。

負担額*:病院や薬局にかかったとき、窓口で負担する医療費のこと。年齢や所得によって割合が異なる。[4]

好きな薬剤師を選べるわけではない

かかりつけ薬剤師になるためにはいくつかの条件があります。そのため「この人にお願いしたい!」という薬剤師がいても、条件を満たしていない場合は選択できません

薬剤師ライター

福田 愛海さん

その代わり、選べる人は経験豊富な薬剤師ということになります。

待ち時間が延びる可能性も

担当のかかりつけ薬剤師が他の人へ対応をしている場合、対応が終わるまで待ち時間が延びてしまう可能性があります。しかし、担当以外の薬剤師からも説明を受けられますので、お急ぎの場合は受付で相談してみましょう。

今まではおもな担当となるかかりつけ薬剤師を1名、緊急時などに対応できるよう追加でもう1名だけ他の薬剤師を選べました。しかし、令和6年6月から、緊急時などに対応できるかかりつけ薬剤師以外の薬剤師は複数人選べるようになりました。[3]

おもな担当として1名を選びつつ、より薬局全体でサポートしやすい環境が整えられたと言えるでしょう。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

このように、改定により制度の内容が変更になることもあります。不明点や疑問点があれば、その都度かかりつけ薬剤師や薬局で聞いてみてくださいね。

信頼できるかかりつけ薬剤師を見つけよう!

かかりつけ薬剤師とは、お薬だけでなくさまざまなことを気軽に相談できる心強いパートナーです。登録後にかかりつけ薬剤師の変更や解約も可能ですので、1度試してみてはいかがでしょうか。

薬剤師ライター

福田 愛海さん

薬局薬剤師として働く筆者としては、指名で電話相談があったり、来局して相談されたりするのは、とても嬉しいことです。

ぜひ気軽に相談してみてください。

この記事の執筆者

薬剤師ライター:福田 愛海(まなみ)さん

福岡大学薬学部卒。大手調剤薬局で約8年間勤務。管理薬剤師や薬局長も担っている現役薬剤師。200名以上のかかりつけ患者様を担当し、頼りになる相談しやすい薬剤師を目指して邁進中。執筆では、丁寧なリサーチと誰にでも分かりやすい文章を心がけ、誰かの悩みを解決する手助けができればと思っています。

X:https://x.com/manami_ph?lang=ar

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