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実はこどもにも多い片頭痛!家庭でできる予防と対処法を解説

頭痛持ちは大人に多い、そのように思っている方はいませんか?

実は、こどもでも頭痛に悩まされていることは珍しくありません。とくに、頭痛の中でも「片頭痛」は症状が強く出てしまい、日常生活に支障をきたす場合も多くみられます。筆者も小学生のころから片頭痛に悩まされ、辛い思いをしてきました。

薬剤師ライター

愛弓さん

この記事では、こどもの片頭痛に対してどのように対応すればよいのか、薬剤師である筆者が詳しく解説します。こどもは自分の状態をうまく伝えられないことも少なくありません。そのため、片頭痛の特徴をしっかりチェックして正しい対処ができるようにしておきましょう。

目次

こどもの片頭痛とはどのようなもの?

こどもにみられる片頭痛の特徴と前兆について解説します。

片頭痛は、頭痛以外の症状が出たり、前兆が現れたりするなど、特徴的な症状が多くみられます。また、大人とこどもでは症状の現れ方に違いがあります。

薬剤師ライター

愛弓さん

こどもにみられる片頭痛の特徴を知っておくと、症状がひどくなる前に対応できるようになります。一緒にチェックしていきましょう。

こどもの片頭痛の特徴

片頭痛とは「ズキンズキン」と心臓の音に合わせ、中~高程度の痛みが出ることが特徴の頭痛です。[2]

大人とこどもの片頭痛は、次の表のような違いがあります。

特徴持続時間
大人頭の「片側」が痛む場合が多い4~72時間ほど
こども頭の「両側」が痛む場合が多い2~72時間ほど
大人とこどもの偏頭痛の違い[1]

こどもにみられる片頭痛は、頭の両側が痛む場合が多く、大人よりも持続時間が短いことがあります。光や音に敏感になる、吐き気やめまいなどの別の症状も一緒にみられます。運動などで症状が悪化してしまうため注意が必要です。[1]

こどもの片頭痛の前兆

片頭痛は、人によって前兆が出てくる場合があります。片頭痛の前兆としてもっとも多いのは、「閃輝暗点(せんきあんてん)*」です。他には、チクチクとした痛みが体や顔に広がっていく症状や、まれに失語の症状が出る場合もあります。こうした前兆症状は5~60分ほどで治まり、片頭痛がはじまります。[3]

こどもが「目が見えづらい」「まぶしくてチカチカする」など訴える場合は、片頭痛の前兆の場合があるため注意しましょう。

閃輝暗点*:ギザギザした光が見えたり、一部分がみえなくなったりする症状

こどもの片頭痛を予防するには

続いて、片頭痛の予防について解説します。

片頭痛が引き起こされる一因は、生活習慣や環境です。可能な範囲で原因を避けると、片頭痛の予防につながるでしょう。

以下は片頭痛を引き起こす原因の一例です。[3][4]

  • ストレス・疲れ
  • 睡眠不足・過眠
  • 運動
  • 絶食
  • 光・におい
  • 天気

とくに、ストレスがもっとも多い原因とされています。[3]こどもとじっくり話す時間を作ったり、ストレスにつながる生活習慣が無いか見直してみたりするのも良いでしょう。

薬剤師ライター

愛弓さん

その他にもさまざまな原因があります。こどもの片頭痛がどのような時に起こるのか観察してみてくださいね。また、すべての原因を避けることは逆にストレスにつながります。過度な制限はせず、こどもに合わせて対策していきましょう。

こどもに片頭痛の症状が出たときの対処法

次に、こどもに片頭痛の症状が出た場合の対処法を解説します。家庭でできるおもな対処法は以下の3つです。

  • 頭を冷やし、暗い部屋で安静に過ごす
  • 薬を飲ませる
  • 周りの大人が寄り添う
薬剤師ライター

愛弓さん

こどもが片頭痛で苦しんでいるのを見るのは辛いですよね。少しでも片頭痛の症状をやわらげるために、それぞれの対処法を詳しくチェックしていきましょう。

頭を冷やし、暗い部屋で安静に過ごす

片頭痛は、脳の血管が広がり神経を刺激することで痛みが出ると言われています。[3]痛みがある部分を冷やすと、血管が収縮し症状がやわらぎます。また、強い光や音が頭痛を悪化させるため、暗い部屋で安静に過ごすと良いでしょう。[5]

薬を飲ませる

片頭痛は、薬で症状をやわらげられます。[3]

こどもで使用できる薬は以下のとおりです。

こどもでも使用できる市販薬

イブプロフェン・ロキソプロフェン
15歳以上から飲める鎮痛薬です。[6]胃に負担がかかりやすいため、食後に飲むようにしましょう。病院で処方してもらうこともできます。(処方薬の場合、イブプロフェンは5歳以上から使用可能です。)

アセトアミノフェン
安全性が高く、小さいこどもでも飲める鎮痛薬です。[6]病院で処方してもらうこともできます。

市販薬を選ぶ際は、かならず薬剤師に相談しましょう。

病院だけでもらえる薬

トリプタン製剤(スマトリプタンなど)
血管を収縮することで、片頭痛の症状をやわらげる薬です。痛みが軽いうちに飲むと効果が期待できます。[2]

薬剤師ライター

愛弓さん

症状がひどい場合、病院では片頭痛の予防薬が処方される場合があります。片頭痛の頻度が高く、こどもがつらそうな場合は医師に相談しましょう。

周りの大人が寄り添う

小さなこどもは頭痛をうまく伝えられず、不安になることがよくあります。周りの大人が寄り添い、こどもの不安をやわらげてあげましょう。

具体的には、以下の点に注目してこどもの頭痛をチェックするのがおすすめです。

  • どこが痛いのか
  • どのように痛いのか(ズキンズキンなど)
  • どうしてほしいのか

こどもとしっかりコミュニケーションを取って対応しましょう。

片頭痛の正しい予防や対策をしよう

片頭痛は、現時点では完治が難しい病気です(2024年9月末)。だからこそ正しい予防法や対策をとり、こどもの片頭痛とうまく付き合っていきましょう。

薬剤師ライター

愛弓さん

もし、今回紹介した対処法でも症状が良くならなかったり、悪化したりする場合は片頭痛ではない可能性があります。気になることがあれば、必ず医師に相談してくださいね。

この記事の執筆者

薬剤師ライター: 愛弓(あゆみ)さん

薬学部卒業後、大手調剤薬局で4年間勤務。小児科、婦人科、精神科、皮膚科など幅広く経験。その後、医薬品卸の管理薬剤師として勤務しながらDI業務に携わる。多様な働き方を求めて医療ライターに挑戦中。正確な情報をお伝えできるよう、読者に寄り添ったわかりやすい文章作成を心がけています。

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