赤ちゃんの肌はとってもデリケート。突然の肌トラブルにどう対処していいのか悩む方も多いのではないでしょうか。赤ちゃん一人ひとり肌質も違えば対処の仕方も変わってきます。
実は、肌トラブルのコントロールは食物アレルギーを防ぐためにも重要です。
仁美さん
1児の母である筆者自身も、赤ちゃんの肌トラブルや食物アレルギーに度々悩んできました。肌トラブルが起きたときの正しいスキンケアや対処の仕方について学びながらも育児に奮闘しています。今では、子どもに合うスキンケアがわかり、肌トラブルも落ち着いてきました。
この記事では筆者の実体験をもとに、赤ちゃんの肌トラブルが起きた際の適切なケアの方法や食物アレルギーを予防するためにできることを紹介しています。
赤ちゃんの肌トラブルの原因は?
赤ちゃんの皮膚はバリア機能が大人よりも弱く、アレルゲンなどの異物が侵入しやすいため、さまざまな皮膚トラブルが起こりやすいです。
赤ちゃんは体温が高く、汗をかきやすいため、蒸れによるあせもなどのかゆみも引き起こしやすくなります。赤ちゃんにはできない検査も多く、肌トラブルの原因が食物アレルギーかアトピー性皮膚炎によるものなのかの鑑別も難しいでしょう。そのため、日頃から肌の状態を注意深く観察する必要があります。[1]
スキンケアで食物アレルギーを予防しよう
近年の研究において、肌トラブルが食物アレルギーやアトピー性皮膚炎に関与していることが明らかになっています。
新生児期からしっかりと保湿を行うことで、アトピー性皮膚炎の発症リスクを3割以上低下させることがわかりました。
仁美さん
日頃から肌を清潔に保ち、保湿を心掛けましょう。スキンケアによって赤ちゃんの肌のバリア機能を高め、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を予防できます。[2]
赤ちゃんのスキンケアの基本
赤ちゃんのスキンケアにおいて大切なキーワードは「清潔」と「保湿」です。体温の高い赤ちゃんは汗をかきやすく、刺激にも弱いです。肌を清潔に保ってしっかり保湿を行うことがとても重要です。
- スキンケアをはじめる時期
- 正しいスキンケアのポイント
赤ちゃんのスキンケアの基本として、上記2つについて詳しく説明します。
スキンケアをはじめる時期
産院の退院後、自宅に帰ってから早速スキンケアをスタートさせましょう。出産から1週間程度の入院後、いよいよ自宅での育児が始まります。産院などによっては入院中にスキンケアの指導がある場合もあります。
赤ちゃんの肌は水分保持力が低く、肌の角質層が薄いため大人と違ってバリア機能が未成熟です。服のすれやほこりなど、外部からの刺激や汗やおしっこなどでもすぐに赤みやブツブツとしたできものにつながります。赤ちゃんの肌は乾燥しやすいためすぐカサカサになり、傷ができやすいのも特徴です。
正しいスキンケアのポイント
赤ちゃんの肌はとても敏感でデリケートです。正しいスキンケアのポイントを知っておきましょう。
赤ちゃんを洗うときのポイントは以下の通りです。
- 赤ちゃん用の石けんやボディーソープなど低刺激性なものを使う
- 汗やほこり、垢が溜まりやすい部位(首・肘・膝の裏)はしっかり洗う
- たっぷりと泡立てて優しく洗う
- 目の周りや鼻、口など細かい部位はガーゼを使う
皮膚の重なりやすい首や肘、膝の裏などは、汚れがたまりやすいため、しっかり洗うことが重要です。赤ちゃんの肌は柔らかくとてもデリケートなため、たっぷりと泡立てた泡で優しく洗いましょう。
水分は乾いたタオルなどでこすらず優しく包み込むように拭き取ります。水分を拭き取ったあとは、しっかりと保湿を行うことが重要です。保湿にも以下のようなポイントがあります。
- 夏はローションタイプ、冬はミルクタイプやクリーム・軟膏など季節に応じて保湿剤の種類を変える
- 清潔な手でたっぷり塗る
- 市販薬など薬の使用に関しては医師の診察を受けてから使用する
また、軟膏を塗る際は清潔な手で塗るようにしましょう。たっぷりと肌にの乗せて塗ってください。目安として大人の両手のひらを塗るために必要な量が、チューブから出したときの大人の指先から第一関節までだと言われています。
仁美さん
ステロイドと聞くと副作用や怖い薬だと連想する人もいますが、適切な指導のもと正しく使えば、必要な効果が得られます。
赤ちゃんは汗もかきやすいため、汗をかいた場合は柔らかい布などで肌を拭き、服や寝具も清潔なものに取り替えてあげるようにしましょう。[3]
食物アレルギー持ち1歳児ママの体験談
仁美さん
筆者の場合、夫婦ともにアトピー性皮膚炎の既往があり、夫は食物アレルギーも持っています。そのため、子どもが生まれる前からインターネット検索でアトピー性皮膚炎や食物アレルギーへの対策を調べたり最寄りの小児科に相談したりして考えていました。
小児科の医師から指導された内容は以下の2つです。
- 保湿を徹底する
- 肌に赤みが出た場合は処方された塗り薬を塗り傷を作らずスベスベな状態を保つ
指導にしっかり従ったためか、幸いひどい肌トラブルは起きませんでした。しかし離乳食が始まり、我が子は小麦や卵にアレルギー反応を示すようになります。口の周りに赤みが出たりひどいときは嘔吐や呼吸困難のような症状が起きたりしました。
仁美さん
そういった場合は、迷わずかかりつけの小児科を受診し指導を仰ぎ、1歳を過ぎた今では少しずつですが食物アレルギーも克服しつつあります。
正しいスキンケアで食物アレルギーを予防しよう
赤ちゃんの肌トラブルや食物アレルギーの対処で迷ったときは、ひどくなる前にかかりつけの小児科や皮膚科または薬剤師に相談しましょう。適切な治療や薬の処方により、ひどくなる前に症状を防ぐことができたりスキンケアのアドバイスを受けたりできます。
仁美さん
正しいスキンケアで赤ちゃんの肌トラブルや食物アレルギーを防ぎ、健やかな成長を守りましょう。
看護師ライター: 仁美さん
薬剤師。薬科大学卒業後、大手調剤薬局に勤務し、小児科や婦人科、皮膚科、精神科、在宅医療などを経験。現在は1歳児の育児に奮闘中であり、もうすぐ第二子を出産予定である。自らの経験を生かして、「読者の気持ちに寄り添い、より分かりやすく、前向きになれる」記事の執筆を心掛けています。
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