更年期に起こるつらい頭痛の原因は？対処法3選【薬剤師解説】

更年期に差し掛かると、体調の変化に悩む女性は少なくありません。その中でも、頭痛は多くの方が経験する代表的な症状のひとつです。

「以前は市販薬でしのげていたけれど、最近は頭痛の頻度も増え、生活に支障が出てきた……」というお悩みはありませんか？

この記事では、更年期特有の頭痛の原因をわかりやすく解説し、日常生活で実践しやすい3つの対処法をご紹介します。さらに、頭痛を和らげる生活習慣のポイントや、必要に応じて医師に相談する際の準備についても、薬剤師である筆者がお伝えいたします。

更年期に起こる頭痛の原因とは

頭痛は更年期の女性の多くが経験する症状の一つです。更年期における頭痛は、おもにホルモンバランスの変化が原因とされています。

頭痛の原因を理解しておけば、予防や対策に役立つでしょう。更年期の女性がなぜ頭痛になりやすいのか、要因を詳しく解説します。

エストロゲンの減少

更年期はエストロゲンという女性ホルモンが急激に減少します。エストロゲンが減少すると、脳の血流や神経に影響を与え、頭痛を引き起こすといわれています。[1]

ストレスによる自律神経の乱れ

更年期は家庭や社会生活において環境や役割の変化が重なる場合も多く、ストレスがたまりやすい時期です。ストレスが睡眠の質や自律神経に影響を与え、頭痛が悪化する場合があります。

慢性化すると日常生活に支障をきたす可能性もあります。[1][2]

頭痛の種類と治療法

「頭痛」とひとくくりに考えていませんか？頭痛には種類があり、治療法や対処法も異なります。

まずは更年期にとくに多い頭痛である緊張型頭痛、片頭痛について理解しましょう。また場合によっては重大な疾患が隠れているケースもあります。

その他の頭痛や、注意したい頭痛についても知っておき、効果的に対応できるようにしましょう。

片頭痛

生活に支障が出る代表的な頭痛です。ホルモンによる影響を受けるため、更年期になり症状が悪化する方も少なくありません。

音、匂い、まぶしい光を敏感に感じたり、頭痛が誘発されたりする場合もあります。

一方で、専門家による治療が非常に効果的な場合も多いです。[1][2][3]

緊張型頭痛

頭痛に悩む人の中で最も多いタイプの頭痛です。通常は、首や肩などの筋肉のコリを伴って起こりやすいといわれています。また、ストレスや不安などが要因となる場合もあります。[2][4]

注意したい危険な頭痛、その他の頭痛

今までに経験したことのない突然の激しい頭痛や、意識障害、おう吐、めまいを伴う場合は、くも膜下出血や脳腫瘍など命にかかわるケースもあります。いつもと違う頭痛が起こったときは迅速に専門医を受診しましょう。

また、鎮痛剤の飲みすぎによる薬剤性頭痛も多く見られます。

頭痛が慢性化してしまう一般的な要因となっているため注意が必要です。[5]

更年期に起こる頭痛の対処法3つ

「じゃあ、頭痛の対応はどうしたらいいの？」

と悩まれている方もいるでしょう。更年期は家庭や仕事などにおける環境変化が起こりやすい時期です。できるなら頭痛に悩まされずに快適に過ごしたいですよね。そこでおすすめしたい頭痛対策を3点お伝えします。

頭痛を起こさないため、また頭痛が起こった時のために、ぜひ参考にしてください。

生活習慣の改善

寝不足や寝すぎ、運動不足などは頭痛の要因となります。適度な睡眠や運動を心がけましょう。

ストレッチなどを取り入れ、リラックスする時間を意識して取るのもおすすめです。[4][5]

頭痛のきっかけを避ける（片頭痛の場合）

片頭痛を引き起こす要因（トリガー）を避けましょう。頭痛を誘発する要因には以下のようなものがあります。

• 空腹
• 騒音
• 強いにおい
• まぶしい光
• ストレス

また、頭痛日記をつけることも大切です。

月経やストレスなどの体調の変化、天候の変化や匂いなど頭痛が起こったきっかけを記載しておけば、トリガーを把握しやすくなります。

自分の頭痛パターンが分かり、受診する際も適切な治療につながるでしょう。[5]

市販の薬の活用

市販の鎮痛剤を適切に活用するのも一つの方法です。

ただし、鎮痛剤の過剰服用や長期の連用は、かえって頭痛を悪化させる原因になる場合があります。

更年期の頭痛が起きたらどのような治療をする？

更年期障害による頭痛の治療をおこなうためには婦人科の受診が必要です。更年期障害の治療としては、ホルモン補充療法や、漢方薬が使用されます。[1][6]

また、更年期障害の治療を続けても頭痛が悪化する場合、頭痛の専門的な治療が必要な可能性もあります。[1]鎮痛剤の飲みすぎによる薬剤性頭痛を起こさないためにも、頭痛外来などを受診するようにしましょう。[2]

受診の際は以下を伝えると診断がスムーズです。

• 頭痛の頻度や痛みの強さ（頭痛日記を持参しましょう）
• 頭痛のきっかけ（トリガー）
• 市販薬やサプリメントの使用状況

無理をせず専門医の力を借りるのも一つの選択肢です。早めの相談が生活の質を高める一歩となります。

更年期の頭痛を正しく理解して対策をたてよう

更年期の頭痛には、エストロゲンの減少やストレスなど、多くの要因が絡み合っています。

生活習慣の改善や、市販薬の適切な使用で対応できる場合もあれば、医療機関への受診が必要なケースもあります。