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シミに効く成分とは?30代におすすめ化粧品の選び方を解説

年齢を重ねると気になり始めるシミ。近年は猛暑で紫外線の量が年々増えていると言われています。[1]


「若いころたくさん日焼けしたから、そろそろシミが出てくるのではないか」
「30代になって、小さなシミができてショック」
「シミ予防の化粧品がたくさんあって、どれを選べばいいのかわからない」
こんなお悩みはありませんか?

今回は、シミをケアできる成分と化粧品を選ぶときのポイントについて、現役薬剤師の筆者が解説します。毎日必要なスキンケアは、ご自身のお肌を育む時間。

美容成分がわかるようになると、化粧品選びが楽しくなるはずです。

薬剤師ライター

しおりさん

10年、20年後も若々しく見られるよう、ぜひ化粧品選びの参考にしてみて下さいね。

目次

シミはなぜできる?

シミにはいくつか種類があり、代表的なものが「そばかす」「肝斑」「老人性色素班」と言われるものです。簡単な特徴を以下にまとめます。

  • そばかす:幼少期に出現しやすい。白人に多く、日本では色白の人に多く見られる。[2]
  • 肝斑:30~40代女性に多く、頬やおでこに左右対称性に発症することが多い。 [2][3]
  • 老人性色素班:顔や手、腕など紫外線を多く浴びる場所に多発する。40歳以降に見られることが多く、自然に消えることはない。[2][3]

老人性色素班は、紫外線を繰り返し浴びることで発症しますが、そばかす、肝斑は遺伝やホルモンバランスも関与していると考えられています。[2][3]


つまり、私たちが日常でケアしていくべきシミは、老人性色素班ということになります。(以降、老人性色素班=シミと表現します)

ではなぜシミができるのでしょうか。シミの正体は「メラニン」と呼ばれる色素です。

薬剤師ライター

しおりさん

紫外線を浴びたとき、皮膚の細胞が傷つかないよう守ってくれるもので、本来は悪いものではありません。

また、皮膚のターンオーバーとともに角質と一緒に剥がれ落ちるため、通常であれば皮膚に蓄積せず排出されます。
しかし、ターンオーバーの乱れや、紫外線により過剰なメラニンが生成されると、メラニンが排泄しきれず肌に溜まり、シミとなってしまいます。[2]

シミに効く成分の種類と効果

シミの正体とできる原因がわかったところで、次はシミに効く代表的な成分をみていきましょう。

今回紹介する成分は、「メラニンの合成を抑える」という共通した働きをもっていますが、効き方のメカニズムはそれぞれ違いがあります

薬剤師ライター

しおりさん

1種類だけでなく、組み合わせて使うことで異なるアプローチができるということも覚えておきましょう。

ビタミンC誘導体

美白成分と聞かれたら、多くの人が思い浮かべる成分ではないでしょうか。

ビタミンCは、そのままの形では安定性が悪く、ビタミンC誘導体という形に変えて化粧品に配合されることが多いです[4]

ビタミンC誘導体の例
  • リン酸アスコルビルマグネシウム[5]
  • テトラヘキシデカン酸アスコルビル[6]
  • ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸[7]

ビタミンC誘導体は肌にある酵素で分解され、ビタミンCに戻った形で効果を発揮すると考えられています。[4]

薬剤師ライター

しおりさん

ビタミンC誘導体の成分は複数ありますが、医薬部外品として認められているものと、そうでないものがあります。

トラネキサム酸

医薬品の飲み薬としても使用されている成分なので、ご存じの方は多いかもしれません。

化粧品では、医薬部外品の成分として、「メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ」効果が認められています[8]

コウジ酸

「日本酒をつくる職人の手が美しい」と注目され、発見された成分です。日本酒をつくる過程で得られる「麹」の中に含まれており、医薬部外品として美白効果が認められています[9]

薬剤師ライター

しおりさん

コウジ酸は、メラニン生成に関わる「チロシナーゼ」という酵素の働きをブロックして美白効果を発揮します。[9]

その他の成分

ほかにも、医薬部外品として美白効果が認められている成分があります。

  • アルブチン:コケモモやウワウルシなどの植物に含まれる成分[4]
  • エラグ酸:イチゴやリンゴなど植物に存在するポリフェノールの一種[4]
  • カモミラET:ハーブティーで親しまれるカモミールに含まれる成分[4]

化粧品を選ぶときのポイント3つ

美白成分についてご紹介したところで、「結局どれを選べばいいのか」と感じた方はいませんか?

世の中には、美白を連想させる化粧品がたくさんあり、私たちを悩ませてきます。パッケージの雰囲気やうたい文句にまどわされず、自信をもって選べるようになりたいですよね。

そこで、化粧品を選ぶときのポイントを3つ紹介します。

1、まずは裏面成分をチェックする

この記事を読んでくださっているみなさんは、「化粧品成分を知りたい!」と思っているはずです。パッケージの宣伝やデザインだけでなく、自分が使いたい成分が入っているかを第一に見るようにしましょう

2、成分名からヒントを探す

化粧品に美白成分が入っているか確認してみましょう。また、ビタミンC誘導体はたくさんあり、「名前が長すぎて覚えられない……」と思った方もいると思います。

薬剤師ライター

しおりさん

ビタミンC誘導体は「〜アスコルビル〜」「〜アスコルビン酸」という名前が入ることがほとんどなので、こちらをヒントに探してみましょう。[7]

3、他の肌悩みも解決できる成分か確認する

シミ以外の肌悩みがあれば、一緒に解決してくれそうな成分を選ぶのもポイントです。よくある肌悩みと、悩みに対して効果が期待できる成分を紹介します。

  • トラネキサム酸:抗炎症作用のある成分として医薬部外品に指定されている。赤みが出やすく、肌荒れしやすい方におすすめ[10]
  • コウジ酸:皮膚の黄くずみ改善効果も期待できる[11]
  • タミンC誘導体:「ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸」は保湿成分グリセリンがくっついた構造になっているので、保湿効果も合わせて欲しい場合はおすすめ[7]

スキンケアは楽しむことから始めよう

シミができる原因や効く成分について、興味をもっていただけたでしょうか?自分が気になって購入した化粧品にはきっと愛着が沸くはずです。

薬剤師ライター

しおりさん

気になる成分があったら、ぜひ化粧品の裏面をチェックしてみましょう!

参考

[1]気象庁>各種データ・資料>地球環境・気候>[地球環境情報]オゾン層・紫外線>紫外線の経年変化

[2]水野優起.顔がシミだらけにならないようにするためのお話,皮膚の健康―皮膚をいかに若々しく保つか―.順天堂医学.2006年52巻3号.p438~439

[3]船坂 陽子.しみのメカニズムから治療まで.日本化粧品学会誌.2023年47巻2号.p117~120

[4]田中浩.美白製品とその作用.皮膚をみる人たちのための化粧品知識.日本香粧品学会誌.2019年43巻1号.p40~42

[5]田川 正人、宇治 謹吾、田端 勇仁.リン酸L-アスコルビルマグネシウムの化粧品への応用.日本化粧品技術者会誌.1989年23巻3号.p200

[6]三園 武士、 山口 俊介、 橋本 悟,油溶性ビタミンC(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)を用いた損傷毛髪の改善.日本化粧品技術者会誌.2018年52巻3号.p206

[7]山下裕司.化粧品分野における界面活性剤の新展開.色材協会誌.2020年93巻3号.p19~20

[8]独立行政法人医薬品医療機器総合機構>承認審査関連業務>承認審査業務(申請、審査等)>承認情報>医薬部外品>審査報告書・申請資料概要>トラネキサム酸セチル塩酸塩審査報告書

[9]佐野元昭.麹菌におけるコウジ酸生合成経路の解析.日本醸造協会誌.2017年112巻1号.p9

[10]独立行政法人医薬品医療機器総合機構>承認審査関連業務>承認審査業務(申請、審査等)>承認情報>医薬部外品>審査報告書・申請資料概要>トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩審査報告書

[11]伊賀 和宏、横田 紗綾、中井 大助、他.コウジ酸の顔面黄ぐすみに対する改善効果.西日本皮膚科.2015年77巻3号(Abstract)

この記事の執筆者

薬剤師ライター:しおり さん

調剤薬局に勤務する現役薬剤師。総合病院門前、調剤併設ドラックストアなど、さまざまな店舗で勤務経験あり。患者さんとのコミュニケーションで身に着けた、「わかりやすく説明する力」を活かし、2024年ライターとしての活動をスタート。「美容は自尊心を高める」をモットーに美容系の情報を発信中。

ブログ:https://opi-chemist.com/

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