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動画の見すぎでこどもの目が心配!看護師が教える家庭での対策

「こどもはYouTubeが大好き。でも、動画の見すぎて目が悪くなったらどうしよう……」

同じような悩みを抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。スマートフォンやタブレット、テレビでの動画視聴は、今やこどもの日常に深く根付いています。

一方で、長時間の動画視聴は視力の低下や目の疲れ、ドライアイなど、こどもの目の健康に悪影響をおよぼすことが指摘されています[1]

しかし、動画視聴を完全にやめさせることは現実的ではありませんよね。

看護師ライター

安元 えりさん

この記事では、未就学児を育てる看護師の筆者が、動画視聴の影響と目の健康を守るための実践的な対策についてお伝えします

動画と上手く付き合う方法を知り「見せすぎかな」という不安や罪悪感から解放されたいと思う方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

こどもの動画視聴、なぜ目に悪い?

こどもの動画視聴は、なぜ目に悪いといわれるのでしょうか。動画を見る方法には、スマートフォンやタブレット、テレビなどさまざまなデバイスがありますよね。

この章では、デバイスごとの目への影響や、動画を長時間視聴するリスクについてもお伝えします。

看護師ライター

安元 えりさん

近い距離で長い時間画面を見続けることが、こどもの目にどのような影響をおよぼすのかを知り、対策につなげましょう

デバイスごとの目への影響

スマートフォンやタブレットを手に持って使用すると、画面と目の距離が非常に近くなります。幼いこどもは大人よりも画面と目の距離が近くなりがちではないでしょうか?

スマートフォンなどを使用した場合について以下のようなリスクが説明されています。

「スマートフォンなどの携帯小型機器を使用した場合、視距離は20cm未満まで近くなります。20cmを切るような近業(きんぎょう)は近視の発症を高めることが示されています。」

出典:「保護者の方に知っていただきたいこどもの近視予防対策」(厚生労働省健康づくりサポートネット)[2]

一方テレビは一定の距離をとりやすいため、小型デバイス機器に比べると目への負担は比較的少ないと考えられるでしょう

看護師ライター

安元 えりさん

このように、こどもに動画を見せる際は、画面と目の距離を意識することが大切です。

長時間の動画視聴によるリスク

長時間視聴の目への影響としては、視力の低下、目の疲れ、ドライアイなどがあります。[1]とくに画面との距離が近い状態での動画視聴が続くと、近視の発症につながる可能性があり、注意が必要です

こどもの近視の進行と目の病気の関連については以下のようにいわれています。

「近視の進行が最も速いのは7〜10歳であり、10歳以下の年齢が低いうちに近視を発症すると、近視が強度になる確率が上がります。近視が強度になるほど、将来、さまざまな目の病気にかかる頻度が高まります。」

出典:「保護者の方に知っていただきたいこどもの近視予防対策」(厚生労働省健康づくりサポートネット)[2]

近視の発症・進行、目の病気にかかるリスクを低減するためには、幼いころからデバイスの視聴時間にも配慮する必要があるでしょう。目以外の影響としては姿勢の悪化が挙げられます

看護師ライター

安元 えりさん

長時間同じ姿勢で動画を視聴すると、首や肩を痛めてしまう可能性があるため、同じ姿勢にならない対策が必要です。[3]

動画視聴はプラスの面も

「こどもに動画を見せすぎて、悪影響が出たら怖いな」と思った保護者の方がいらっしゃるかもしれません。しかし、動画視聴にはこどもの学びや興味、体験が広がる面もあります

たとえば、好きな動物の様子や植物の成長を動画で学べます。はじめての行き先を動画で見ることで楽しみがふくらみ、興味をもって実際の体験につなげやすくなるでしょう。[3]

看護師ライター

安元 えりさん

筆者はこどもが新しい言葉や体の動きを楽しく学べるよう、童謡とダンスを組み合わせた動画を活用しています。

また、こどもが動画視聴している間に、保護者は休憩したり、落ち着いて家事に取り組んだりする時間をもてますよね。看護師として子育てに関わる筆者は、この「休む時間」は非常に大切だと考えます。保護者が心にゆとりをもつことで、こどもに対してより丁寧に向き合えるでしょう

こどもの目を守る5つの対策

プラスの面があるとはいえ、こどもの長時間の動画視聴は望ましくありません。[3]無理のない範囲でできる対策があれば、実践したいですよね。ここからは、こどもが動画視聴するときに家庭で意識したい具体的な対策を5つご紹介します。

看護師ライター

安元 えりさん

普段の生活に取り入れやすい方法をお伝えしますので、できそうだと思ったことから、「見る時間」や「見る環境」を整えてみましょう。

動画視聴時間の目安を守る

画面を見ている時間は、小中高生であれば1日合計2時間以内が推奨されています[4]

看護師ライター

安元 えりさん

とくに寝る前の動画視聴は、睡眠の質を下げる原因の一つとなるため、寝る1時間前は、スマートフォンなどのデジタル機器を使用しないようにしましょう。[5]

寝る前の読み聞かせにおいても、動画ではなく紙の絵本の方が適しているとされています。[3]

デバイスごとにルールを決める

スマートフォンなどの画面が小さいデバイスは、画面と目の距離が近くなりやすく、目への影響が大きくなります。[3]スマートフォンやタブレットを使用するときは、目と画面の距離を離すため、こどもが手に持って見ることは避けましょう。目から30cm以上離して机に置いて見ると、適切な距離を保ちやすくなります[5]

看護師ライター

安元 えりさん

テレビもできるだけ離れて見られるようにソファを置くなど、適切な家具の配置ができると良いでしょう。


目にやさしい環境を整える

暗いところや極端に明るいところで画面を見ると、目が疲れやすくなります。カーテンや照明などで室内の明るさを調整しましょう[5]


とくにスマートフォンやタブレットで動画視聴するときは、姿勢を整えることが大切です。姿勢が悪いと、画面と目の距離が近くなり、目に負担がかかる可能性があります。寝転がって見ることも、悪い姿勢が習慣化する原因になるため、避けましょう。[3]

看護師ライター

安元 えりさん

また、1日2時間、屋外での活動を確保することは、近視の予防に効果的であるといわれています[5]

ただ、夏の暑い日や冬の寒い日は、外に出るのが大変に感じることもありますよね。そのようなときはベランダや庭に少し出てみるのはいかがでしょうか?屋外での活動が目に良いと知っておくと、無理のない範囲で「外に出てみよう」と思えるかもしれません。

こまめに休憩時間をとる

動画を見る際には近視予防のために、次のような対策が重要だといわれています。

「20分に1回、20秒以上、20feet(約6m)遠くを眺めるようにすること(3つの20と覚えましょう)を意識的に行い、近視予防に努めましょう。」

出典:「保護者の方に知っていただきたいこどもの近視予防対策」(厚生労働省健康づくりサポートネット)[2]


一つ動画が終わったときや宣伝に切り替わったタイミングで、外をしばらく眺めるように声かけをしてみるのもおすすめです

看護師ライター

安元 えりさん

筆者はこどもが切り替えやすいように、動画の終わりをおやつやご飯の時間に合わせるよう工夫しています。

大人も一緒に楽しむ

こどもが一人で動画を長時間視聴するのではなく、大人もなるべく関わるよう意識しましょう。動画視聴中に声をかけると、こどもは自然に画面から目をそらしたり、姿勢を変えたりできます[3]

看護師ライター

安元 えりさん

家事をしながら一緒に歌う、見た内容を質問する、感想を話し合うなどして、親子のコミュニケーションのきっかけにしてはいかがでしょうか?

対策して動画と上手く付き合おう

動画視聴は使い方によってこどもの成長を助ける学びの道具にもなれば、目や生活リズムに負担をかける原因にもなります。

少しでもこどもの目への負担を軽くし、動画の見せすぎを防ぐ工夫が大切です。

看護師ライター

安元 えりさん

親子で一緒に楽しむ姿勢をもち、学びやコミュニケーションの時間に役立てられると良いですよね。

悪影響を理解しつつ、それぞれの家庭でできる対策を実践し、親子で上手く動画と付き合っていきましょう。

引用・参考

引用

[2]厚生労働省>健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット〜>生活習慣病などの情報>感覚器など>保護者の方に知っていただきたいこどもの近視予防対策

参考

[1]文部科学省>政策・審議会>審議会情報>調査研究協力者会議等(初等中等教育)>「デジタル教科書」の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会>学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方に関するガイドライン(改訂版)>学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン(令和3年3月改訂) p14

[3]総務省>未就学児・未就学時の保護者>デジタル時代の子育てを一緒に考えてみよう!>スマートフォン、タブレット、ゲーム機などインターネットとどう向き合っていけばいいのかデジタル時代の子育てを一緒に考えてみよう!低年齢層(~6歳程度)の保護者対象 p18,p20,p21,p28

[4]厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>健康・医療>健康>生活習慣病>睡眠対策>健康づくりのための睡眠ガイド2023,p16
[5]文部科学省>教育>小学校、中学校、高等学校>教育の情報化の推進>端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮>児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(令和4年3月改正版) p4,p9,p15,p16

この記事の執筆者

看護師ライター:安元 えりさん

大学卒業後、循環器病棟で8年間臨床を経験。看護師として高齢の患者さんと向き合う日々を過ごしてきました。現在は2児の母として、療育に通う子どもの子育てをしながらライター活動を開始。高齢者から子どもまで幅広い世代の悩みに寄り添い、心にやさしく届く文章作りを大切にしています。

note:https://note.com/honohono_memo
X:https://x.com/eri_honohono

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