「ダイエットをしたいけれど無理な食事制限はしたくない」
「食べる量を減らしているのに中々体重が落ちない」
「リバウンドを繰り返してしまう」
こんなお悩みありませんか?
ダイエットといっても、お悩みも体質も人それぞれです。東洋医学の世界では、太ってしまう原因からアプローチをしていきます。
薬膳は自分の体調に合わせた食事をとり入れ、体のバランスを整えていくものです。まずは自分の体質について知ることが健康的なダイエットへの近道です。[2]
本記事では東洋医学的な体質の捉え方や体質別のおすすめ食材について、薬剤師である筆者が解説します。
山口結鶴さん
自分に合った方法で、健康的で美しい体づくりをゆるやかに目指していきましょう。
「気・血・水」は私たちの体質を表す
東洋医学の分野で、私たちの体を考える際に基本となるのが「気・血・水(きけつすい)」という概念です。「気・血・水」は私たちの体を作る要素であり、各々がバランスを保ってしっかり体内を巡っている状態が健康であると考えます。
山口結鶴さん
まずは3つの要素が持つ基本的な働きについて知りましょう。
気
「気」は私たちの生命を維持する上で最も重要な根源的エネルギーです。血と水を動かしたり、内臓を動かしたりとさまざまな役割を担っています。
目に見えないのでわかりにくいかもしれませんが、「やる気」「元気」の「気」と考えてみると少しイメージしやすくなるのではないでしょうか。[2]
血
血と聞いてまず頭に思い浮かぶのは、体内を流れる赤い血液ですね。しかし、東洋医学ではもう少し幅広く、栄養分や血液循環も含めて「血」と呼びます。
さらに「血」は精神活動を支える基礎的な要素であるとされているのも大きな特徴です。[2]
水
体内の水分のうち、「血」以外のものを「水」と呼びます。私たちの皮膚や粘膜に潤いを与えてくれたり、滑液となって関節の動きを滑らかに保ってくれたりします。
体内の余分な熱を汗などの形で外に出してくれる働きがあるのも大きな特徴です。[2]
自分の体質とおすすめ食材を知ろう!<気・血・水チェックシート>
「気・血・水」の働きがわかったところで、今度は実際に自分の体質を診断してみましょう。
複数のタイプが組み合わさった混合タイプという場合もあります。混合タイプの場合は、ぜひ両方の食材を参考にしてみてください。[1][2][3]
□疲れやすい | □気分が不安定 | □顔色が浅黒い | □むくみやすい |
□やる気が出ない | □緊張しやすい | □唇が紫色 | □体が重だるい |
□食べていないのに太る | □体重の増減が激しい | □コレステロールや中性脂肪が高い | □お腹の中でチャポチャポ音がする |
□食後に眠くなる | □過食気味 | □下半身が冷える | □口の中が粘つく |
□胃もたれしやすい | □お腹や脇が張る | □シミやアザができやすい | □天気や気圧によって体調が左右されやすい |
□声が小さい | □ゲップやおならが多い | □経血に血塊が混じる | □お酒をよく飲む |
□寒がり | □よくため息をつく | □月経痛がひどい | □おりものが多い |
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気虚
タイプ
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気滞
タイプ
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瘀血
タイプ
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水滞
タイプ
気虚タイプ
生命エネルギーである気が不足しているタイプです。食べ物を消化吸収してエネルギーにしたり、余分な脂肪を燃焼したりする力が足りません。あまり食べていないのになぜか太ってしまうという事態に陥りやすいのが特徴です。
気虚タイプの方は「食べないダイエット」に注意しましょう。
もともとエネルギー不足なのに、外から食べ物が入ってこないとどんどん溜め込み体質になっていってしまいます。
山口結鶴さん
気虚タイプの方は気を補い、胃腸に優しい食べ物を意識してとりましょう。
おすすめ食材[2]
山芋・さつまいも・かぼちゃ・とうもろこし・まいたけ・しいたけ・桃・パイナップル・サンマ・サバ・生姜・うるち米
気滞タイプ
気が上手く巡らずに滞ってしまっているタイプです。ストレスを溜め込みやすく、食べることでイライラを解消してしまいがちなところがあります。[1]
気分も体重も不安定で、リバウンドを繰り返してしまいやすい特徴もあります。[1]
山口結鶴さん
気滞タイプの方は気を巡らせてくれる香りの良い食材を意識してとりましょう。
おすすめ食材[2]
柑橘類・セロリ・シソ・ねぎ・にら・ピーマン・ミント・らっきょう・豆腐・菊花・にんにく・蟹
瘀血タイプ
血の巡りが悪いタイプです。血流が滞っていて、代謝が悪いので老廃物を外に出せずそのまま溜め込んでしまいがちです。[1]
山口結鶴さん
瘀血タイプの方は、血流を促進して体の代謝があがる食材を意識してとりましょう。
おすすめ食材[2]
玄米・納豆・紅花・シナモン・唐辛子・サンザシ・チンゲン菜・かぶ・よもぎ・ブルーベリー・黒酢・菜種油
水滞タイプ
水の巡りが悪いタイプです。体に余分な水分が溜まっているので、ぽっちゃり体系になりがちです。[1]
山口結鶴さん
水滞タイプの方は、しっかりといらない水分を外に出してくれる食材を意識してとりましょう。
おすすめ食材[2]
はとむぎ・黒豆・とうもろこし・きゅうり・冬瓜・アスパラガス・もやし・りんご・小豆・わかめ・のり
漢方薬もおすすめ!体質ごとのダイエットをより効果的にサポート
「もっと効果的にダイエットがしたい!」という方には漢方薬もおすすめです。
前述した体質を改善し、バランスを整えながら健康的なダイエットをサポートしてくれます。
漢方薬も体調や体質によって合うものが異なります。
服用する際は医師または薬剤師等の専門家に相談して、自分にピッタリな漢方薬を選んでもらうのがおすすめです。
日々の生活に薬膳をとり入れて健康的な食生活を
ダイエットについて東洋医学的な考え方、体質別のおすすめ食材について解説しました。
美しい見た目だけでなく、一緒に体質改善をしながら健康的な体づくりをしていけるのが薬膳の魅力です。
山口結鶴さん
自分に合った薬膳をとり入れて心身ともに健康で美しい毎日を目指しましょう。
[1]1996年出版、東洋学術出版社、菅沼栄、いかに弁証論治するか、248~257ページ
[2]2011年出版、株式会社 西東社、仙頭正四郎、最新カラー図解 東洋医学 基本と仕組み、29~39ページ、薬膳食材リスト
[3]2018年出版、株式会社 西東社、喩静、植木もも子、増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帳、16~25ページ、自分でできる体質チェック
薬剤師ライター:山口結鶴さん
薬剤師。漢方薬局に勤務。1人1人のお悩みや生活背景をじっくりお聞きして、体質に合う漢方をお選びしています。1人でも多くの方が心身ともに健康であれるように、東洋医学と西洋医学の良いとこどりができるよう日々奮闘中。
山口さんも受講した、Medi+の「医療ライターのはじめかた」講座とは?