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こどもの風邪をもらうママ必見!症状がきついと感じる理由と対策​3​選

こどもの風邪を毎回もらってしまい「症状がきつい」「なかなか治らなくてつらい」と感じるママは多いのではないでしょうか。

筆者もこどもの風邪をもらってしまい、とてもつらい思いをした経験があります。つらそうなこどもの看病や熱があっても​元気なこどもの相手もママが元気なら余裕を持って対応しやすいですよね。

風邪をもらわないためには、手洗い、うがいなどの感染予防対策以外にママの健康管理も重要です

本記事では、ママ薬剤師である筆者がこどもの風邪をもらうときついと感じる理由と、風邪をもらわないための対策について解説します。

薬剤師ライター

ももさん

いつもこどもの風邪をもらってしまうママは、記事を参考にして元気な毎日をめざしましょう。

目次

こどもの風邪がうつるしくみ

こどもは咳やくしゃみをする時に、口を覆うなどの咳エチケットを徹底できないので、吐き出す飛沫(ひまつ)*の量が多くなります。保育園などではこども同士やスタッフとの距離が近いため、免疫が未熟なこどもは風邪をもらいやすくなるでしょう

ママがこどもから風邪をもらうしくみは、おもに飛沫感染と接触感染の二つあります。

  • 飛沫感染
    飛沫は1〜2mの範囲に飛び散ります。[1]こどもが咳やくしゃみ、会話などで吐き出した飛沫(ひまつ)*を吸入すると、病原体が体内に侵入して風邪がうつります。[1]
  • 接触感染
    こどもの飛沫や鼻水、唾液を直接触る、もしくはドアノブやおもちゃ・タオルなどについた飛沫を触ると、ママの手に病原体が付着します。病原体がついた手で目や鼻、口に触れると風邪がうつります。[1]

飛沫(ひまつ)*:病原体が含まれた小さな水滴[1]

こどもの風邪はママにうつりやすい

「またこどもの風邪をもらってしまった……」という経験はありませんか?

こどもの風邪がママにうつりやすい理由として、お世話や抱っこでこどもの飛沫を浴びたり触ったりする機会が多いことが挙げられます[1]とくに低年齢のこどもは咳エチケットや手洗いが難しく、ママと触れる時間も長いため、感染リスクが高くなりやすいでしょう。

薬剤師ライター

ももさん

日ごろの疲れや看病疲れでママの免疫力や体力が低下しやすいのも、原因の一つとして考えられます。

家事や育児に追われて十分な休息を取れず、気がつかないうちに疲れが溜まっているかもしれません。

こどもの風邪をもらうときついと感じる理由

こどもの風邪をもらうと「症状がきつい」「なかなか治らなくてつらい」と感じるのは、日々のストレスや疲れ、免疫のしくみが関係していると考えられます

きついと感じる理由を知れ​ば​、風邪の重症化を予防するための工夫が見つかるかもしれません。忙しい日々の中でもストレスや疲れを溜めない方法を考えていきましょう。

日々のストレスや疲れ

「パパが協力的ではない」「こどもが言うことを聞いてくれない」「家事育児に追われて休めない」「夜間の授乳や夜泣きで満足に眠れない」など、ママはストレスを溜めやすく疲れも取れにくいですよね。

風邪をひいたときに症状がきついと感じる背景にはストレスが関係しています

薬剤師ライター

ももさん

慢性的なストレスが体の炎症反応*の制御を妨げたり、睡眠の質を低下させたりして風邪症状を悪化させるという報告があります。[2][3]

炎症反応*:ウイルスや菌などの病原体が、体内に侵入したときに免疫細胞が引き起こす反応[4]

獲得免疫とウイルスの種類や変異

大人には獲得免疫があり、こどもより風邪をひきにくいと言われています。獲得免疫とは体に侵入してきたウイルスなどの病原体に対する「記憶」を作り、体を守るしくみです。[5]

風邪の原因となるウイルスの種類は多く、同じウイルスでも変異する場合があります。[6]

薬剤師ライター

ももさん

こどもが持ち帰ったウイルスに対して大人の獲得免疫が対応できない場合に感染しやすく、症状がきつく感じると考えられます。

こどもの風邪をもらわないための対策3選

ママが体調を崩してしまうと、風邪をひいたこどもの看病や家事に支障が出て​大変ですよね。ママがこどもから風邪をもらわずに元気に過ごすための対策3選をご紹介します。

薬剤師ライター

ももさん

毎日のちょっとした習慣を見直すだけで感染リスクを大きく減らせるかもしれません。

健康で快適な毎日を過ごすために、できる対策からはじめましょう。

基本的な感染予防

手洗い、うがいを基本に、こどもが風邪をひいている時にはマスクの着用を心がけましょう。

手洗い
手洗いでウイルスを減らせます。[8]手洗いができない場面では、エタノールなどによる手指消毒も有効です[8]

うがい
水うがいはうがいをしない時に比べて風邪の発症が4割減少したという報告があります[7]ウイルスに感染しやすくする物質が洗い流され、水道水の塩素が何らかの効果を発揮していると考えられています。[7]

マスク
マスクを着用すると飛沫の飛散を抑えられ、ある程度飛沫感染を予防できます[8][9]こどもがマスクを着用できない場合は、ママが着用して感染リスクを減らしましょう。

室内環境の見直し

換気や適正な湿度の維持、こまめな室内の消毒で衛生的な室内環境を保ちましょう。

換気と湿度管理
こまめな換気は空気中のウイルスなどを外に追い出します[8]

薬剤師ライター

ももさん

また、感染予防には湿度約60%が目安とされています。[1]

加湿器を活用し、空気が乾燥しすぎないよう心がけましょう。

消毒
こどもの飛沫はおもちゃやドアノブなどにもついているため、よく触るところはこまめに消毒しましょう。[1]食器や食べかけの食べ物にもウイルスなどがついている場合があります。「もったいない」という気持ちは大切ですが、こどもの食器の共有は避け、残したご飯は食べないようにしましょう

ママの健康管理

十分な睡眠や栄養バランスのよい食事など、ママの健康管理も大切です。

睡眠
睡眠不足は免疫力に影響をおよぼす研究結果や、風邪をひきやすくなるという報告があります[10][11]ママにとって、こどもが寝た後はやっと一人になれる貴重な時間ですよね。やりたいことがたくさんあると思いますが夜更かしは控え、十分な睡眠時間を確保しましょう。

食事
偏食を避け、1日3回規則正しい食生活を心がけましょう。炭水化物はエネルギー源として免疫細胞の働きを支え、たんぱく質は抗体や免疫細胞の材料として欠かせません[12]

薬剤師ライター

ももさん

脂質は細胞膜の構成やエネルギー供給を担い、ビタミンやミネラルは免疫機能をサポートします。[12]

これらの栄養素をバランスよく摂取して免疫力の低下を予防し、健康を維持しましょう。

感染を予防し、元気な毎日を過ごしましょう!

こどもが風邪をひくと「ママが風邪をもらうのは避けられない」と思われるかもしれません。しかし、日常生活の対策で感染リスクは減らせます。

つい頑張ってしまいがちですが「疲れたな」と感じたときは家事より体力回復を優先し、食事はレトルト食品や冷凍食品に頼るのもよいでしょう

こどもの遊び相手にはテレビやYouTubeを活用するのも一つの方法です。「英語や数を学べる動画を選ぶ」「1日◯時間まで」といったルールを決めれば取り入れやすいのではないでしょうか。

家事育児を工夫し、たまには自分へのご褒美を用意してリラックスする時間も大切です。パパや​周りにも助けを借りて元気な毎日を過ごしましょう。しかし体調不良や疲れが長引く場合は、医療機関に相談してください。ときには専門家の力を借りることも必要です。

薬剤師ライター

ももさん

ママの健康は家族の笑顔につながります。無理をせず、自分に優しくすることを大切にしてください。

本記事が、頑張るママの日々を少しでも楽にするヒントになれば嬉しく思います。

参考

[1]こども家庭庁>政策>保育>保育所における感染症対策ガイドライン(参考2025-01-30)p8.p12.p27

[2]Sheldon Cohen, Denise Janicki-Deverts , William J Doyle , Gregory E Miller , Ellen Frank , Bruce S Rabin , Ronald B Turner ,Chronic stress, glucocorticoid receptor resistance, inflammation, and disease risk、Proc Natl Acad Sci U S A.2012 ;109(16),p5996-5997

[3]Muskan Bansal, Sarah Ghose, Natalie Dautovich、Sleep Quality as a Pathway from Stress to Cold Symptom Severity,Sleep, 44(Supplement 2)2021, pA53

[4]八巻 幸二 解説ここが知りたい!炎症反応について(一般論を中心に)オレオサイエンス2012 年12巻3号p.125

[5]NIID国立感染症研究所>国立感染症研究所 免疫部 主任研究官 大西 和夫>免疫機能に関する研究:抗体産生B細胞の発生・分化機構に関する研究

[6]加藤 秀人、柳沢 直子 SARS-CoV-2と免疫応答 東京女子医科大学雑誌 2021年91巻1号 p.3

[7] ​​Tetsuhisa Kitamura, Kazunari Satomura, Takashi Kawamura, Sachiko Yamada, Kyoko Takashima, Narufumi Suganuma, Hideo Namai, Yoko Komura, for The Great Cold Investigators-I,Can We Prevent Influenza-like Illnesses by Gargling?,Internal Medicine 、2007: 46(18) p.1623

[8]内閣感染症危機管理統括庁>報道広報>広報啓発資料>新型インフルエンザ等の感染症に関する広報・啓発資料>ポスター・チラシ>基本的な感染対策

[9]政府広報オンライン>健康・医療・福祉>病気予防>インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」

[10]M Irwin  , J McClintick, C Costlow, M Fortner, J White, J C Gillin,Partial night sleep deprivation reduces natural killer and cellular immune responses in humans,The FASEB Journal,1996;10(5):p.643

[11]Aric A Prather , Denise Janicki-Deverts, Martica H Hall, Sheldon Cohen,Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold​,​ Sleep 2015;​38(9):p.1353

[12]厚生労働省>政策について>審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等>「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会>「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書p.106,p.128,p.152,p.172,p.186,p.222,p.241,p.322,p.329

この記事の執筆者

薬剤師ライター:もも さん

国立大学薬学部卒。現在は4歳児を育てながら、調剤薬局に勤務。丁寧なリサーチを心がけ、科学的根拠に基づいた分かりやすい医療記事を執筆しています。女性や子育て世代に寄り添い、不安や悩みを和らげることを目指して活動中。
X:https://x.com/Momowtr
note:https://note.com/momo_0322

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