「何回も転職を繰り返していて、自分に合う職場がこの先見つかるのか不安」
「そもそもなんで転職を繰り返してしまうのか」
看護師の転職に関して、このような悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
看護師ライター月島 由貴さん
看護師である筆者は6回転職しており、転職を繰り返した原因を分析することで理想の職場と巡り合えました。
本記事では転職回数の多い筆者だからこそわかった、転職を繰り返すおもな原因と、自分に合う職場選びのポイントをお伝えします。
また、筆者の体験談もあわせてご紹介しますので、転職活動中の方はもちろん、転職を迷われている方もぜひ参考にしてください。
看護師が転職を繰り返す原因とは?


皆さんはこれまで何がきっかけで転職されましたか?それぞれ理由があると思いますが、「転職を繰り返している」と感じる方には、共通する原因があるかもしれません。原因を知ることは今後のより良いキャリアを築くきっかけにもなるでしょう。
こちらでは転職を繰り返す原因として考えられるものをご紹介します。



月島 由貴さん
ご自身にも当てはまらないかチェックしてみてください。
転職先や仕事内容の情報不足
転職先や仕事内容の情報が少ないと、転職後もより良い職場を求めて転職を繰り返しやすくなります。
2010年8月から2011年1月の看護職員就業状況等実態調査では、他施設へ移りたい理由として仕事内容や待遇が挙げられています。たとえば他施設への興味(34.1%)、給与への不満(31.1%)、休暇がとれない(24.5%)などです。[1]
職場の不満や疑問だけでなく、より良い待遇や職場環境への期待が他施設への興味として表れているのかもしれません。給与や休暇への不満は、他施設への興味を後押しする要因になっているとも考えられます。



月島 由貴さん
筆者の場合、仕事内容の把握や検討の甘さが原因で転職を繰り返す悪循環に陥りました。
条件面だけでなく、仕事内容の細かい把握や運営母体、人員体制、理念なども確認する必要があるでしょう。
自己分析ができていない
自己分析ができていないと転職の目的が不明瞭になり、転職後も満足感を得られず再転職につながる恐れがあります。厚生労働省の令和4年版労働経済の分析では、自己理解の重要性について次のように述べられています。
「自らの適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めた上で、自身に合った仕事を主体的に選択することで、仕事内容や職業生活への満足度を高めている可能性がある」
出典:令和4年版 労働経済の分析(厚生労働省)[2]
将来自分がどう働きたいのか、何が向いているのかを見つめ直すことが大切です。



月島 由貴さん
自己分析により、自らを深く理解できれば、転職後も納得して働きやすくなるでしょう。
転職を迷った時にすること


転職を繰り返すと、再び転職を検討した時に「本当に転職するべきなのか」「また繰り返してしまわないか」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
そのような悩みを解決するために、皆さんと一緒に考えたい視点をご紹介します。



月島 由貴さん
今後転職を繰り返さないためにも、以下を参考にし、ご自身にとってベストな選択を検討してください。
過去の退職理由を分析する
過去の退職理由を分析することで「何が退職の決め手になったか」が明確になります。漠然と「なんとなく合わないから」「不安だから」という理由で転職活動すると、方向性が定まらず、後悔する可能性が高くなります。



月島 由貴さん
過去の退職理由と現在の状況を照らし合わせて、転職がベストな選択か判断しましょう。
「自分軸」を明確にする
「自分軸」を明確にすると、「これから自分がどのような経験を積んでどうなりたいか」が見えやすくなります。筆者が考える「自分軸」とは、他人の意見や社会の動向に流されずに考え行動するための価値観や在り方の主軸です。
以下の視点をもとに「自分軸」を考えてみてください。
- 仕事でやりたいこと、実現したいことは何か
- 経験から活かせる強みは何か
- 働くうえで譲れないものは何か
- なぜ転職するのか(転職の目的)



月島 由貴さん
「自分軸」を整理すると、自己分析が深まり、転職を迷った時にも今後の方向性を見定めやすくなるでしょう。
転職すべきかを判断する
転職以外の手段で職場の不満を改善できないか、以下を参考に考えてみてください。
- 人間関係や職場環境に不満がある
→上司に部署移動を相談する
- キャリアアップが見込めない
→資格取得などでスキルアップをめざす
- 仕事内容の不満がある
→上司に業務改善や人員調整を相談する



月島 由貴さん
以上について検討後、転職するか判断しましょう。
自分に合う転職先を見つけるには?


転職を決意した場合、自分に合う転職先を見つけるにはどのように考え、選べば良いのでしょうか?
ここでは転職を繰り返した筆者の経験をもとに、キャリア形成の重要性と自分に合う転職先の見つけ方をご紹介します。



月島 由貴さん
以上について検討後、転職するか判断しま転職先とのミスマッチを防ぐためには「将来性」「働き方」「職場環境」の3つが大切です。
それぞれのチェックすべきポイントを確認しましょう。
キャリアプランの形成
転職先を探す前に、キャリアプランを形成しましょう。キャリアプランとは、これまでの経験を踏まえて掲げた挑戦や目標を達成するための計画です。キャリアの方向性を明確にすると、自分の能力は転職先で活かせそうか、やりたい仕事と合致しているかなどを判断できます。
面接の際に計画にもとづいた目標や貢献できることをアピールするのも良いでしょう。



月島 由貴さん
転職先の求める人材や必要な能力を把握しやすくなり、自分に適した職場かを具体的に見極められます。
転職先を選ぶ時のポイント
転職先を選ぶ時に確認すべきポイントを3つお伝えします。
まず、検討した自分軸やキャリアプランをもとに、自分にとって将来性のある職場かどうかチェックしましょう。
- 目標に近づける基盤が整っているか
- 仕事内容を十分理解できているか、不満・不安要素はないか
- これまでの経験を活かせるか
次に働き方です。重視する基準は人それぞれで、年齢・性別・経済状況・家庭事情によっても変わります。以下のチェックポイントを参考に、優先順位をつけましょう。
- 勤務時間帯・出勤日数・休日日数などの条件
- 月の残業の平均時間
- 有給休暇消化率
最後に職場環境のチェックです。以下のポイントを参考に考えてみてください。
- 職場の雰囲気(馴染めそうか)
- 職場環境(整理整頓、清潔感、必要物資やスペースの確保)
- 人員体制や配置
- 離職率
厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、全体の離職率は14.2%、医療・福祉においては13.8%です。[3]



月島 由貴さん
平均的な離職率を参考に転職先と比較すると、働きやすさを見極める一つの手がかりになるでしょう。
転職を繰り返した先に


ここでは転職を6回経験した筆者の気づきをお伝えします。
筆者はこれまで、急性期病棟や回復期病棟、有料老人ホームや特別養護老人ホームで勤務してきました。転職理由は「スキルアップのため」「職場環境が自分に合っていない」などさまざまです。
転職回数が多く在籍期間が短いと、転職先からネガティブな印象を持たれることもあります。



月島 由貴さん
筆者自身も、メディアで転職のマイナスなイメージを目にするたびにコンプレックスを抱いていました。
このままではいけないと悩んだ末に、これまでのキャリアを振り返りました。自己分析や転職理由を整理した結果、自分では意識していなかった本当にやりたいことや働き方が見えてきたのです。



月島 由貴さん
それまでは求人票の条件や転職エージェントの評判だけで判断していましたが、自分との対話が必要であると気づかされました。
転職を繰り返す原因を知り、理想の職場を見つけよう


理想の職場を見つけるには、転職を繰り返した原因や自分のキャリアを振り返り、自分軸に沿ったキャリアプランの形成からはじめましょう。これまで転職を繰り返した過去も失敗ではなく経験と捉えられ、今後のキャリア形成の味方になるはずです。そして多数ある選択肢の中から何が自分にとってベストかを判断してみてください。



月島 由貴さん
筆者は皆さんに、外部の意見や情報に左右されずに自分自身と向き合って欲しいと考えています。
転職するしないに関わらず、この記事が皆さんのキャリアをより良くするための手助けの一つになれば幸いです。どうかこれまでのキャリアを否定せず、自信をもって歩んでください。


看護師ライター:月島 由貴さん
短大卒業後、急性期病棟や地域包括ケア病棟の経験を経て現在は高齢者施設で働きながら看護師ライターとして活動中。看護師資格以外に美容やアロマに関する資格を取得。医療から美容に関することまで執筆可能。一人一人のニーズやお悩みに寄り添えるよう、これまでの経験を基にわかりやすく丁寧な文章を心掛けています。









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