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甘いジュースは控えるべき?血糖値を上げにくいおすすめの飲み物

「甘いジュースは控えたいけれど、つい手が伸びてしまう」
「血糖値は気になるけど、水やお茶だけでは物足りない」

このように血糖値が気になっていても、甘い飲み物がなかなか止められない方は多いのではないでしょうか。甘いジュースは美味しくて、ほっと一息つくときについ手が伸びてしまいますよね。しかし、毎日飲み続けると血糖値が上がりやすい体質になってしまう可能性があります

この記事では薬剤師の筆者が、血糖値に悩む患者さんからの相談経験をもとに、血糖値を上げにくいおすすめの飲み物をご紹介します。

薬剤師ライター

ひなたさん

無理なく美味しく続けられる工夫もお伝えしますので、「健康に気を配りたいけど我慢はしたくない」という方はぜひ最後までご覧ください

目次

血糖値を意識した飲み物の選び方

健康診断で血糖値が高めと指摘されたとき、食習慣と一緒に見直したいのが「毎日の飲み物」です。甘い飲み物には、想像以上に多くの糖分が含まれており、気付かないうちに血糖値を上げる原因になっている可能性があります

また糖分の高い飲み物は、2型糖尿病のリスクを高める要因の一つとされています。[1]毎日の飲み物を少しずつ見直し、将来の健康リスクを減らしましょう。

薬剤師ライター

ひなたさん

この章では血糖値を意識した飲み物を選ぶポイントについて紹介しますので、参考にしてみてください。

原材料名と栄養成分表示を見る

血糖値を意識するうえで飲み物の「原材料名」と「栄養成分表示」をしっかり確認することが大切です。

パッケージの裏面をよく見ると、「果糖ブドウ糖液糖」が原材料として入っている飲料が多くあります。「果糖ブドウ糖液糖」とはブドウ糖と果糖からなる液状の糖です。[2]「砂糖」と同じく血糖値を上げやすいため、大量に摂取するのは避けたいですよね。

「砂糖」という記載がなくても、多くの糖分が含まれていることがあります。購入前に原材料名を必ずチェックする習慣をつけましょう。

薬剤師ライター

ひなたさん

また、栄養成分表示の強調表示において、清涼飲料水100ml当たり糖類が0.5g未満の場合はゼロと表示できます。[3]

無糖、糖類ゼロと書いてあっても糖類が入っている場合もあるので、飲み過ぎには注意が必要です。

糖分が多い飲み物を避ける

血糖値が高めの方は、甘いジュースや炭酸飲料などの糖分を多く含む清涼飲料水の摂取を避けましょう。これらの飲み物には果糖ブドウ糖液糖が入っていることが多く、注意が必要です。

他に見落としやすいのが、果実を使った飲み物です。ビタミン補給のために果実ジュースを飲む方もいますが、糖分が多いためできるだけ生の果物で摂るようにしましょう。果実入りの野菜ジュースも、同様に糖分が多い場合があるため注意が必要です。(ここでいう「ジュース」には、果汁100%でない果汁飲料も含みます。)

また、スポーツドリンクは水分補給を目的として選ばれがちですが、日常的に飲むと糖分の摂りすぎにつながります。

薬剤師ライター

ひなたさん

屋外で大量の汗をかいたときや、体調不良で食事がとれないときなど、必要な場面に限定して活用するようにしましょう。

血糖値を上げにくい飲み物5選

上記では血糖値を意識するうえで避けたい飲み物についてご紹介しましたが、「どの飲み物なら飲んでいいの?」と思う方もいるでしょう。この章では血糖値を上げにくいおすすめの飲み物を5つご紹介します。

それぞれの飲み物に含まれる成分の働きや、続けやすい飲み方についても解説します。

薬剤師ライター

ひなたさん

以下で紹介する味や風味がついた飲み物を選び、美味しく健康への第一歩を踏み出しましょう。

コーヒー

コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」は、血糖値の低下作用が期待されている成分です。[4]ブラックコーヒーで飲むのがおすすめですが、苦手な方は牛乳や無調整豆乳で割ると、マイルドになり飲みやすくなります。

ただし、コーヒーに含まれるカフェインは睡眠に影響するおそれがあります。

薬剤師ライター

ひなたさん

1日の総カフェイン摂取量が400mg(コーヒー約700cc相当)を超えないよう、飲み過ぎには注意しましょう。[5]

牛乳、豆乳

牛乳に含まれるタンパク質は、食後の血糖値の上昇を抑える働きが期待されています。[6]また、豆乳においても、食前に飲むと食後の血糖値を抑える働きが報告されています[7]

薬剤師ライター

ひなたさん

市販の豆乳には甘味料入りのタイプが多いため、無調整豆乳を選びましょう。

トマトジュース

トマトに含まれる「リコピン」には空腹時血糖値を低下させる効果が期待されています[8]トマトジュースは砂糖や塩が加えられた製品もあるため、血糖値を意識する場合は無糖、無塩タイプを選びましょう。

薬剤師ライター

ひなたさん

トマトの風味が苦手な方は炭酸水で割ったり、レモン汁を加えたりすると飲みやすくなります。

リンゴ酢

お酢に含まれる「酢酸」は、血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待されています[9]ドリンクとして取り入れる場合は、フルーティーで飲みやすい「リンゴ酢」などがおすすめです。砂糖などの甘みが加えられていない「純リンゴ酢」を選びましょう。1日30mLを目安に、水で薄めて飲んだり、ドレッシングの代わりに使ったりできます。[10]

薬剤師ライター

ひなたさん

水以外では炭酸水やトマトジュースで割ると、まろやかな味わいになります。

ただし、酸が胃に負担をかけることもあるため、体調に合わないと感じたら無理に飲まないようにしてください。また、日常的に飲むと酸により歯が傷みやすくなるため、飲んだ後はうがいをして歯を守りましょう

お茶

砂糖を加えないお茶も血糖値を上げにくい飲み物の一つです。お茶には多くの種類があり、香りや風味が大きく変わるため、気分に合わせていろいろな味を楽しめます。

緑茶に含まれるカテキンは、糖の吸収をゆるやかにする可能性が示されている成分です。[11]

薬剤師ライター

ひなたさん

また、紅茶に含まれるポリフェノールは、血糖値の上昇を抑える働きが報告されています。[12]

甘いジュースが飲みたいときの対処法

どうしても甘いジュースが飲みたくなってしまったときは、血糖値への影響をできるだけ抑える工夫が必要です。以下に5つのポイントをご紹介します。

  • 空腹時に飲むと血糖値が急上昇しやすいため、食後に楽しむ
  • 少量サイズを選んで飲みすぎないようにする
  • 血糖値に影響がでにくい甘味料を使用したカロリーゼロ飲料を選ぶ
  • 少量の甘いジュースを炭酸水などで割って満足感を得る
  • 甘みのない飲み物に少量のハチミツや血糖値に影響がでにくい甘味料を加える

カロリーゼロ飲料の多くは、砂糖の代わりにアセスルファムKやアスパルテームなどの人工甘味料を使用しています。人工甘味料はほとんどカロリーを含まず、血糖値への影響も少なめです[13]ただし、腸内環境や味覚に変化をおよぼす可能性が指摘されています。[14][15]

薬剤師ライター

ひなたさん

そのため、人工甘味料を使用した飲料を習慣的に大量に飲むのは避けた方が良いでしょう。

コーヒーやお茶などの飲み物に甘みを加えたいときは、エリスリトールや羅漢果(ラカンカ)抽出物を使う方法もあります。どちらもスーパーで購入できる低カロリー甘味料です。ハチミツは砂糖に比べて血糖値の上昇がゆるやかとされていますが、血糖値をまったく上げないわけではありません。[16]摂りすぎには注意し、少量にしましょう。

薬剤師ライター

ひなたさん

工夫次第で、血糖値を意識しながらも、甘みのある飲み物も楽しめます。

お気に入りの飲み物を探して健康を目指そう

甘いジュースは美味しく感じますが、健康を考えると毎日飲むのは控えたいところです。普段の水分補給にはカロリーがなく、血糖値にも影響しにくい水やお茶を選びましょう。それでも物足りないときは、コーヒーや牛乳・豆乳、トマトジュース、リンゴ酢、お茶の中から選ぶのがおすすめです。

アレンジを加えて、自分の味覚に合うオリジナルドリンクを探してみるのもいいですよね。

薬剤師ライター

ひなたさん

甘いジュースは罪悪感をもちながら飲むのではなく、たまのご褒美として楽しむのが良いのではないでしょうか。

毎日の飲み物選びを少し工夫して、健康を目指していきましょう。

参考

[1]Karen A Della Corte ,Tyler Bosler ,Cole McClure ,Anette E Buyken ,James D LeCheminant ,Lukas Schwingshackl ,Dennis Della Corte ,Dietary Sugar Intake and Incident Type 2 Diabetes Risk: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies,Advances in Nutrition,2025;16(5):100413(Abstract)

[2]文部科学省>政策・審議会>審議会情報>科学技術・学術審議会>資源調査分科会>資源調査分科会報告「日本食品標準成分表2010」について>「日本食品標準成分表2010」について第3章の3

[3]消費者庁ホーム>政策>政策一覧(消費者庁のしごと)>食品表示>栄養成分表示について>【事業者の方向け】栄養成分表示を表示される方へ>食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第5版(令和7年4月)p.32,p.45

[4]文部科学省>政策・審議会>審議会情報>科学技術・学術審議会>資源調査分科会>資源調査分科会(第19回)配付資料>参考資料5平成20年度新たな健康の維持増進に関わる食品成分等に対するニーズ調査>5.成果第1章 機能性成分等新たな健康の維持増進に関わる成分の分析に対するニーズ調査

[5]厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>健康・医療>健康>生活習慣病予防>睡眠対策>健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年9月18日一部修正)p30

[6]Anders H Frid , Mikael Nilsson, Jens Juul Holst, Inger M E Björck.Effect of whey on blood glucose and insulin responses to composite breakfast and lunch meals in type 2 diabetic subjects.The American journal of clinical nutrition. 2005 ;82(1):69-75(Abstract)

[7]Lijuan Sun,Kevin Wei Jie Tan,Cathy Mok Sook Han,Melvin Khee-Shing Leow, Christiani Jeyakumar Henry.Impact of preloading either dairy or soy milk on postprandial glycemia, insulinemia and gastric emptying in healthy adults.Randomized Controlled Trial .Eur J Nutr. 2017;56(1):77-87(Abstract)

[8]Takuro Inoue , Kazutaka Yoshida , Erika Sasaki , Koichi Aizawa , Hiroharu Kamioka .Effect of Lycopene Intake on the Fasting Blood Glucose Level: A Systematic Review with Meta-Analysis.Nutrients.2022;15(1):122. 

[9]H Liljeberg , I Björck.Delayed gastric emptying rate may explain improved glycaemia in healthy subjects to a starchy meal with added vinegar.European journal of clinical nutrition.

1998;52(5):368-371(Abstract)

[10]Panayota Mitrou, Athanasios E Raptis, Vaia Lambadiari, Eleni Boutati, Eleni Petsiou, Filio Spanoudi, Emilia Papakonstantinou, Eirini Maratou, Theofanis Economopoulos, George Dimitriadis, Sotirios A Raptis.Vinegar decreases postprandial hyperglycemia in patients with type 1 diabetes.Diabetes Care. 2010;33(2):e27.

[11]Meltem Yilmazer-Musa,Anneke M Griffith,Alexander J Michels,Erik Schneider, Balz Frei.Inhibition of α-Amylase and α-Glucosidase Activity by Tea and Grape Seed Extracts and their Constituent Catechins.J Agric Food Chem. 2012 September 12; 60(36): 8924–8929

[12]Arisa Butacnum , Rewadee Chongsuwat , Akkarach Bumrungpert.Black tea consumption improves postprandial glycemic control in normal and pre-diabetic subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled crossover study.Asia Pacific journal of clinical nutrition. 2017 ;26(1):59-64(Abstract)

[13]Yoona Kim , Jennifer B Keogh , Peter M Clifton .Consumption of a Beverage Containing Aspartame and Acesulfame K for Two Weeks Does Not Adversely Influence Glucose Metabolism in Adult Males and Females: A Randomized Crossover Study.Int J Environ Res Public Health. 2020;17(23):9049(Abstract)

[14]Jotham Suez, Tal Korem, David Zeevi et al.Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota.Nature.2014;514(7521):181-186(Abstract)

[15]A Mahar, L M Duizer.The effect of frequency of consumption of artificial sweeteners on sweetness liking by women.J Food Sci.2007;72(9):S714-8(Abstract)

[16]Lubna Nazir , Faiza Samad , Wahid Haroon , Saera Sohail Kidwai , Shaista Siddiqi , Mahrukh Zehravi.Comparison of glycaemic response to honey and glucose in type 2 diabetes.The Journal of the Pakistan Medical Association. 2014;64(1):69-71(Abstract)

この記事の執筆者

薬剤師ライター:ひなたさん

調剤薬局で勤務し、これまで5,000人以上の患者さんをサポートしてきました。「1人でも多くの方が、健康に楽しく人生を過ごせるように」という思いで、ライター活動を開始。正しい知識をわかりやすく伝え、行動につながる文章づくりを大切にしています。

X:https://x.com/hinata_phwriter

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