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看護師から保健師へ!転職前に知ろう5つの職場

保健師の資格を持ちながら看護師として働いていると、一度は保健師への転職を考える機会もあるでしょう。

また、転職を考える中で
「どのような職場で働けるのか」
「自分にできる仕事内容なのか」
「どこに応募すればいいのか」
など保健師として働くことに、さまざまな疑問や不安があるかもしれません。

この記事では、保健師への転職に悩んでいる方向けに、おもな保健師の仕事内容や働き方、転職情報の探し方などについて詳しくお伝えします

医療ライター

まつどーじゅんこさん

また、保健師のやりがいがわかるよう、保健師歴30年目である筆者の体験談もまとめました。

この記事で、気になることへのヒントを見つけ、保健師として働く一歩を踏み出しましょう。

目次

転職前に押さえておきたい保健師の仕事内容

ここでは保健師が関わる対象者や仕事内容、勤務体制や給与などについておおまかにご紹介します。

転職活動を進める前に、自分はどんな対象に関わりたいのか、どのような働き方を希望するのかをイメージしておくと、職場選びの参考になるでしょう

医療ライター

まつどーじゅんこさん

本章でまとめた保健師に関する情報を元に、ご自身がやりがいを感じる職場をイメージしてみてください。

関わる対象者

保健師が関わる対象者について、以下の表にまとめました。

関わる場所具体的な対象者
自治体や地域包括支援センター乳幼児から高齢者までの地域住民全世代世帯単位で関わることも多い地域包括支援センターの場合は、65歳以上の高齢者
企業や健康保険組合社員や組合員、および必要時はそのご家族も対象となる
健康診断センター健診受診者
保健師が関わる対象者
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まつどーじゅんこさん

自治体の保健師は、配属部課によって支援対象が変わります。企業や健康診断センターは働き盛り世代に多く関わります。

おもな仕事内容

保健師のおもな仕事内容は、以下のとおりです。

  • 電話や訪問、来所などでの健康相談
  • 相談内容の記録
  • 健康教室の開催
  • 健康診断の実施と結果についての保健指導
  • 年間の活動計画作成
医療ライター

まつどーじゅんこさん

健康教室では、相談内容や統計情報をもとに対象となる集団や地域の健康ニーズを把握し、必要に応じて教室を開催します

また、活動計画は年度ごとに作成し、その計画に沿って業務を進めます。

よくある勤務体制や給与

保健師の勤務体制は、8時30分ごろから17時30分ごろまでの日勤帯業務が多いです。健康イベントなどの際には、土日に出勤する場合もあります。

医療ライター

まつどーじゅんこさん

給与について、ハローワークの求人統計データによる保健師の求人賃金は25.3万円(月額)、看護師の求人賃金は26万円(月額)でした。[1][2]

求人によっては、夜勤や土日勤務がない保健師の求人でも、看護師と同水準の給与が期待できるでしょう

保健師が活躍する5つの職場

保健師が活躍する職場には、市町村・保健センター、保健所、企業・健康組合、地域包括支援センター、健康診断センターなどがあります

市町村や保健所の保健師は、配属先ごとに対象や制度が異なり、その都度学び直しが必要です。企業や健康診断センターは、働く世代への支援が中心となります。

医療ライター

まつどーじゅんこさん

上記5つの職場の概要と、各職場での仕事内容について詳しく見ていきましょう。

市町村・保健センター

市町村・保健センターの保健師は、公務員試験に合格したのち、

  • 健康増進(生活習慣病対策等)
  • 高齢者医療福祉
  • 母子保健・児童福祉
  • 障害福祉
  • 精神保健福祉

などの部課に配属されます。[3]

おもな仕事内容には、家庭訪問・来所、電話相談などの個別対応や、妊産婦・乳幼児健診、健康診断・がん検診などの計画から実施が含まれます[4]

医療ライター

まつどーじゅんこさん

ほかにも、自治会での健康教育の開催、自治会長や民生委員との連携などの業務があります。

保健所

保健所は地域保健法に基づいて、都道府県、 指定都市、中核市、特別区などに設置されています。[5]

保健所保健師として公務員試験に合格後、おもな配属先は以下の課です。

  • 生活習慣病対策
  • 難病対策
  • 精神保健福祉・自殺予防対策
  • 結核・感染症対策
  • 母子保健対策

各疾患に悩む方への来所・訪問・電話相談や、医療機関・市町村との連携を行います。市町村に対して、より専門的な助言や指導も行います。[3]

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まつどーじゅんこさん

同圏域内での転勤があり、地域によっては離島転勤の可能性もあるでしょう。

企業・健康保険組合

企業・健康保険組合で活躍する「産業保健師」は、従業員の健康管理を担います。職場環境の確認や産業医との連携に加え、生活習慣病やメンタルヘルス対策にも取り組む場合が多いです。

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まつどーじゅんこさん

単一健康保険組合*を持つ企業では、組合の保健師という立場で被保険者(扶養のご家族も含む)全体の健康管理を担うケースもあります。

単一健康保険組合*:一つの企業により組織された組合(被保険者数700人以上)[6]

地域包括支援センター

地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が配置されています。この3職種は「地域包括支援センターの3職種」と呼ばれ、運営に欠かせない役割を担っています

設置主体は市町村ですが、医療法人や社会福祉法人などへ委託しているケースが多く、身分は公務員ではなく法人職員であることが多いです。

医療ライター

まつどーじゅんこさん

高齢者の介護予防事業や、地域のケアマネージャーに対してアセスメントに関するアドバイスの実施、高齢者虐待対応や認知症対策など、幅広い仕事内容があります。

健康診断センター

健康診断センターは、健康診断や人間ドックなどを提供する施設です。健診に特化した企業や医療法人の一つの部署として存在し「人間ドックセンター」という名称を使う所もあります。

保健師は保健指導を中心としながら、健診スタッフの一員として問診、採血、婦人科検診の補助、カメラ検査の補助などの業務にも携わります

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まつどーじゅんこさん

健診が円滑に進むよう、スタッフ同士のコミュニケーションと協力が欠かせない、チームワークが重要な職場です。

「保健師でよかった」やりがいを感じた事例

ここでは、筆者が保健師としてやりがいを感じた「個別の相談業務」と「集団の健康教室の二つの事例をご紹介します。どちらも保健師一人の力では、業務の遂行が成しえなかった事例です。

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まつどーじゅんこさん

保健師への転職を検討している方に、働き方がイメージできるようにまとめています。

個別の相談業務で感じたやりがい

筆者が地域包括支援センターで働いていた時の相談事例です。

介護負担に限界を感じたご家族から急な相談があり、ケアマネージャーと連携して、要介護者の入院・入所先を探しました。(レスパイト入院や短期入所など)

2日後には、受け入れ先が決まり、ご家族は休養を取ることができました

医療ライター

まつどーじゅんこさん

ご家族が「眠れるようになった」「体調も戻ってきた」と話し、落ち着いた表情を見せてくれたとき、この仕事の重要性とやりがいを実感しました。

集団の場健康教室で感じたやりがい

筆者が市町村で働いていた時の事例です。

自治会からの依頼で健康講話を行うことになり、その地域では高齢者の寝たきり予防が課題だとわかりました。

テーマを『骨粗しょう症の予防』に絞り、空き瓶に砂を入れ机に軽く打ち付ける実験を実施。刺激で砂が密度を増していく様子を通じ、運動が骨密度を高める仕組みを視覚的に伝えました

医療ライター

まつどーじゅんこさん

参加者からは「骨粗しょう症予防に運動が必要な理由がよくわかった」「とても楽しい講義だった」と高評価をいただき、改めて「保健師の仕事の面白さを実感しました。

保健師の採用情報を探すなら

安心できる採用情報を探すなら、まずは

  • ハローワーク
  • 都道府県の看護協会

をチェックするのがおすすめです。

令和4年の厚生労働省の報告でも、保健師の就業場所の約50%が市町村、約20%が保健所や都道府県でこれらの機関は、ハローワークや都道府県の看護協会をつうじて採用情報を公開しています。[7]

看護師向けの転職サイトでは、企業や健康保険組合、地域包括支援センター、健診センター、などが候補ですが、多くはハローワークなどで公募されているのが現状です。

医療ライター

まつどーじゅんこさん

看護師からの転職に不安を感じるなら、最初は産休補充や臨時・嘱託職員として、1年ほど働いてみるのもおすすめです。

仕事内容や自分との相性を確認できる貴重な機会になるでしょう。

さあ、保健師になろう

この記事を読んで、ご自身に合った保健師の職場が少しイメージできたのではないでしょうか。

医療ライター

まつどーじゅんこさん

看護師として培ってきた経験は、保健師の仕事でも必ず大いに活かされます。

あなたのこれまでの経験や思いを、今度は保健師の職場で発揮してみませんか。

この記事の執筆者

医療ライター:まつどーじゅんこさん

琉球大学医学部保健学科卒。自治体、産業保健師業務20年、高齢者デイサービス5年勤務。現在地域包括支援センターに勤めながら、「Medi+」にて医療ライターの講座受講。文章を楽しんで書くという気持ちを失わずに、これまでの業務経験を踏まえながら、悩んでいる方々へ役に立てる記事執筆を心掛けています。

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