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【はじめての妊活にオススメ】夫婦で意識してとりたい栄養素を解説

妊活中や妊娠中は食事や栄養が気になりますよね。

「赤ちゃんによくない影響がでる食べ物があるかもしれない」

「妊活に有利になりそうな栄養素はあるのかな?」と悩みはつきません。

夫婦で食品や栄養を少しでも意識できると、妊活中も楽しく食事がとれるかもしれません。しかし、世の中にはたくさんの食品や健康食品、サプリメントがあるため、何を優先してとるべきかわからない方もいらっしゃるでしょう

毎日の食事に手間や時間をたくさんかけられない方も多いと思います。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

本記事では、2児のママ薬剤師の筆者が、妊活中に積極的にとりたい栄養素について解説します。

目次

女性が妊活中に摂取したい栄養素3選

積極的にとりたい栄養素として、赤ちゃんの成長に欠かせない葉酸、妊娠中に不足しやすい鉄、受精時にも必要になるカルシウムがあげられます。これらの日本人の摂取量は、必要とされている量より少ないといわれています。さらに、妊娠すると赤ちゃんの成長とママの体の変化に伴って、より多くの栄養が必要となるのです。[1][2]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

そのため、葉酸、鉄、カルシウムは、体の変化にそなえて妊娠前から継続的な摂取が推奨されています。

赤ちゃんの成長に欠かせない葉酸

葉酸は、とくに妊活中から妊娠初期に必要な栄養で、細胞が増えるときに必要となるDNA合成に関わるビタミンです。

妊娠初期は赤ちゃんの細胞が非常に増え、神経管がつくられる時期です。葉酸をじゅうぶんにとっていると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害予防によいといわれています[3]神経管閉鎖障害は神経や脳の病気で、さまざまな機能障害や能力低下をおこす可能性があります。[4]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

妊活中の方は食事だけではとりきれないことが多いため、サプリメントの利用が推奨されています。

妊娠中に不足しやすい鉄

鉄はとくに妊娠中に不足しやすく、酸素を体中に運ぶヘモグロビンが働くために不可欠な栄養素です

女性は妊娠をしていなくても月経などで鉄が足りなくなりがちですが、妊娠するとママの体の血液量が増え、赤ちゃんの成長のためにもより多くの鉄が必要となります。鉄分が不足していると体に運べる酸素の量が少なくなり、動悸や息切れ、集中力の低下などの症状が現れることがあります。[5]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

妊娠したときすぐに鉄をたくさんとれるわけではないため、妊活中から意識してとりたい栄養素です。[2][6]

受精時にも必要になるカルシウム

カルシウムは妊活中・妊娠中・産後の中では、とくに受精時に大事な栄養素です。

カルシウムは体内でカルシウムイオンとなります。卵子細胞内でカルシウムイオンが何度も上昇することで卵子が活性化し受精しやすくなるため、妊活ではしっかりとカルシウムをとってカルシウムイオンを上昇させることが大切です[7]

また、妊娠した際には赤ちゃんの骨の形成にもカルシウムが必要になります。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

日本人女性はもともとカルシウムの摂取量が不足しがちなので、妊活中であればぜひ積極的にとっていきましょう。[1][8]

男性妊活で摂取したい栄養素は?

男性が妊活で積極的にとりたい栄養素としては、DNA合成に必要な葉酸と精子の質をあげる亜鉛があげられます

妊娠しづらいとき、男性にも原因の半分はあるといわれており、精液の濃度や精子の量、運動率、奇形率によって妊娠のしやすさが変化します。[9]

妊娠はひとりではできませんから、ぜひ夫婦で協力していきたいですよね。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

男性も意識してとりたい葉酸と亜鉛について詳しく解説していきます。

DNA合成に必要な葉酸

 葉酸は、女性と同じくらい男性にとっても大切な栄養素です。RNAやDNAを合成するときに必要なため、精子のDNA損傷や染色体異常を減少させるともいわれています。DNA損傷や染色体異常は精子の奇形にも関わり、妊娠のしやすさにも関係する可能性があります[9]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

男性も葉酸を積極的にとっていきましょう。[10]

精子の質をあげる亜鉛

亜鉛は、正常な精子形成や成熟、精子の生産量増加のために必要な栄養素です

精子は成熟しないと受精機能を持ちません。[11]そのため、精子の成熟を促す亜鉛は妊活に大切なことがわかります。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

また、亜鉛は精子の生産量を増やすため、亜鉛をじゅうぶんに摂取することで精液中の精子の数が増え、妊娠のしやすさに関係する可能性があります。[12]

妊活中は、日頃からじゅうぶんな亜鉛をとっていきたいところです。

妊娠前から控えたい食品

妊活中に積極的にとりたい栄養素について解説しましたが、逆に妊娠前から控えたほうがいい食品についてはご存じでしょうか?

ここでは、妊娠するときや赤ちゃんがおなかの中で育つ際に影響する可能性がある食品をご紹介します。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

「もしかして妊娠したかな?」と思ったときには、これからご紹介する食品を意識してみるとよいでしょう。

たばこ・アルコール

たばこやアルコールは妊娠初期から赤ちゃんやママの体への悪影響が多いため、妊活中からぜひ避けましょう。流産や死産、ママも危険になる可能性があります。精子にも影響があるともいわれています。[1][9]

生の肉・魚・卵・乳製品

生ハムやユッケなどの生肉、刺身やスモークサーモンなどの生魚、生卵、ナチュラルチーズなどの乳製品は、感染症の心配があるため避けたほうがよいでしょう。

河川の水や動物の腸内などにいるリステリア菌は、肉や魚、卵、乳製品に存在していることがあります。通常、感染して大事に至ることはほとんどありませんが、免疫力が落ちている妊婦は感染してしまう可能性があり、赤ちゃんにも影響がでる可能性があります

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

リステリア菌は熱に弱いため、しっかり加熱調理して食べるようにしましょう。[13]

大型の魚

食物連鎖の関係で、大型の魚の中には水銀などの重金属が蓄積していることがあります。成人にはほとんど影響はありませんが、おなかの中の赤ちゃんには影響が出てしまうことがあり、1週間に食べる量には注意が必要です。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

キンメダイやメカジキなどは1週間に一切れ程度が目安になっています。[14]

カフェイン

妊婦がカフェインをとりすぎると、おなかの中にいる赤ちゃんの成長に影響する可能性があるといわれています。カフェインが多いものとしては、コーヒーや紅茶が有名です。

世界保健機関(WHO)は、コーヒーは多くても1日3~4杯程度にとどめることを推奨しています[15]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

栄養ドリンクやお茶には、コーヒーよりも多くカフェインが含まれていることがあるため注意しましょう。[15]

ビタミンAを含むサプリメント

ビタミンAは、通常の食事で過剰になることはほとんどありません。しかし、サプリメントでビタミンの補給をしている方は、ビタミンAの摂取量に気をつける必要があります。

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

とくに妊活中の方から妊娠3か月目あたりまでは注意が必要です。

ビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんの催奇形性に関わることがあり、1日670μgを超えないようにすることがすすめられています[16]

夫婦で妊活を意識した食事をとろう

いかがでしたか?妊活中に意識してとりたい栄養素がわかったと思います。

葉酸は緑黄色野菜や納豆に多く含まれるビタミンです。鉄はレバーやほうれん草に多く含まれ、ビタミンCと一緒にとると吸収が良くなります。[17]また、カルシウムは乳製品に多く含まれます。日光にあたるとできるビタミンDがカルシウムの吸収を助けるため、妊活中は日光浴もオススメです[18]

薬剤師ライター

ころもちゃんさん

食品からとりきれない分はサプリメントや健康食品を頼りながら楽しく食事をとりましょう。

参考

[1]厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領」p4,6,12

[2]黒川浩美ほか、妊娠前女性における自己決定性からみた葉酸・カルシウム・鉄の摂取、微量栄養素研究第38集、2021年、58-65ページ

[3]e-ヘルスネット[情報提供] 葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果

[4]芳賀信彦、二分脊椎患児の理学療法、Spinal Surgery 28巻2号、2014年、128-133ページ

[5]渡辺優奈ほか、妊婦の鉄摂取量と鉄栄養状態の縦断的検討、栄養学雑誌、71巻1号、2013年、26-38ページ

[6]厚生労働省|(2)微量ミネラル ①鉄(Fe),311-321ページ

[7]伊藤潤哉、受精氏におけるカルシウムイオン制御機構、日本哺乳動物卵子学会誌、29巻4号、2012年10月、146-154ページ

[8]厚生労働省|6. 1. 3.カルシウム(Ca)

[9]令和2年度母子保健指導者養成研修、研修1不妊・不育相談支援に関する研修、講義2「男性の不妊」講義資料2,6ページ(参照2025年1月24日)

[10]厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIM | 葉酸塩[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者]

[11]国立研究開発法人日本医療研究開発機構|精子の成熟を調節する鍵分子を発見―不妊症の原因究明と治療に新たな視点―

[12]渡辺敏明ほか、亜鉛欠乏状態における精子数および運動能に及ぼすかき肉エキスの影響、微量栄養素研究、第16集、1999年、49-54ページ

[13]厚生労働省|リステリアによる食中毒

[14]厚生労働省|これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと

[15]食品安全委員会|食品中のカフェイン

[16]食品安全委員会|ビタミンAの過剰摂取による影響について

[17]厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIM | 鉄[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者

[18]厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIM | ビタミンD[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者]

この記事の執筆者

薬剤師ライター:ころもちゃん さん

慶応義塾大学薬学部卒。病院、調剤、OTC専門ドラッグストアにて薬剤師として勤務を経験。のべ5,000人以上の服薬指導、健康相談を受け、一般の方にも正しい医療知識を正しく理解してもらうため難しい専門用語は使わずにわかりやすく説明することを得意としている。QOL(生活の質)を大切にし、正しい医療・健康・美容の知識を広めていくために執筆活動を行っている。

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