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生理前のイライラが止まらないママへ|身近な食材とセルフケアで解消しよう

「育児と仕事と家事で毎日忙しく、心に余裕がない」

「生理前になるととくにイライラしがちで、感情的になる自分を抑えられない」と悩み、こどもや夫に対して怒ってしまう自分を責めていませんか?

生理前にイライラしやすいのは、PMS(月経前症候群)の症状の一つであり、東洋医学では体の巡りが悪くなっている状態と考えます

本記事では、生理前にイライラしやすい体質を改善するための生活上のポイントについて、東洋医学の観点から漢方薬剤師が解説します。大切な家族と、笑顔の多い日々を送っていきたいと思っているママは必見です。

薬剤師ライター

山川裕子さん

スーパーで簡単に手に入るおすすめ食材や、1日たった5分でできるセルフケアなども紹介しています。ぜひ最後まで読んで取り入れてみてください。

目次

PMS(月経前症候群)とは

PMS(Premenstrual Syndromeの略)とは、生理前3〜10日の間にあらわれる精神的あるいは身体的な症状の総称です[1]

主な症状として以下のようなものがありますが、実は、PMSの症状は200〜300種類ほど。[1][2] みられる症状は非常に多岐にわたっており、個人差が大きいことが特徴です。

精神的症状身体的症状
イライラ不安感気分の落ち込み食欲増進お腹や乳房の張りむくみ頭痛肌荒れ
薬剤師ライター

山川裕子さん

PMSが起こる原因は、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの変動が関わっていると考えられていますが、はっきりとは分かっていません。[1]

しかし、対策次第で症状を和らげることが可能です。どのような点に気をつけたら良いのか、東洋医学における体質の考え方に沿ってみていきましょう。

生理前のイライラに対する東洋医学の考え方

東洋医学では「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素が体の中を巡ってバランスを保つことにより、生命活動が維持されていると考えます。気血水をそれぞれわかりやすく説明すると、次のとおりです。[3]

  • 気:生命活動のもととなるエネルギー
  • 血:全身に栄養を運ぶ血液
  • 水:全身を潤す水分

これら気血水のバランスが崩れたり滞ったりすると、私たちの体では、心身の不調や病気が起こるとされています。

薬剤師ライター

山川裕子さん

PMSの中でもイライラが起こりやすい状態は、気の流れが悪くなった「気滞(きたい)」です。

気滞の人はイライラの他に、以下のような症状がみられます。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • お腹や乳房の張り
  • ゲップやガスが多い
  • 下痢と便秘を繰り返す

また気滞の人は、ストレスによりこれらの症状が強く出やすい特徴があります。[4]

気滞体質を改善するためには、気を巡らせるような生活を意識してみましょう。

気の巡りを良くする食材

普段の食事で摂るものを少し意識するだけで、体の偏ったバランスを整えることができます。気の流れを良くしたいときは、香りの良い食材がおすすめです

ここでは気の巡りを良くする食材を2つに分けて紹介しています。お近くのスーパーでぜひ探してみてください。

柑橘類

爽やかな香りが特徴の柑橘類。香りに加えて適度な酸味があり、滞った気を巡らせます。[5]

薬剤師ライター

山川裕子さん

調理しなくても食べられるため、時短で簡単にイライラを落ち着かせることができますね。

イライラしがちな方は、下記にあげたような柑橘類を取り入れてみましょう。

  • オレンジ
  • みかん
  • グレープフルーツ
  • レモン
  • ゆず

香味野菜

料理の香りや風味を引き立たせる香味野菜にも、気を巡らせるはたらきがあります。[5]

下記は香味野菜の例です。

  • セロリ
  • 紫蘇
  • ミョウガ
  • パクチー
  • 三つ葉
  • パセリ
薬剤師ライター

山川裕子さん

食事にちょっとプラスするだけで、リラックス効果やストレス解消が期待できるでしょう。

今すぐできるおすすめのセルフケア

気滞体質の人にとって、ストレスは大敵です。できる限りストレスフリーで、リラックスした状態で過ごせるように意識してみましょう。

ここでは、自宅でできるセルフケア方法を3つ紹介します。

ストレッチで巡りアップ

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を保っていると、血流が悪化しますよね。同時に、気の流れも悪くなってしまいます。

ストレッチで、縮こまった筋肉を伸ばしたり緩めたりしてあげると良いでしょう。体と心の緊張がほぐれると、滞っていた気が巡り、イライラの解消につながります

薬剤師ライター

山川裕子さん

ゆっくり深呼吸するだけでも効果的。4秒で吸って8秒で吐くというように、吐く方を細く長く行うのがポイントです。

もし余力があれば、ウォーキングやジョギングなど汗をかくくらいの運動もおすすめです。体を動かして、溜まった気を発散させましょう。

好きな香りでリラックス

心地よい香りを嗅ぐと、ふっと気分が和らいだ経験はありませんか?

アロマや入浴剤などを活用し、香りを生活に取り入れてみましょう。好きな香りを嗅いでホッと一息つき、リラックスする時間を作ってみてください。

薬剤師ライター

山川裕子さん

ハンカチや枕にアロマスプレーを吹きかけたり、匂い袋を持ち歩いたりするのも良いでしょう。

自分が心地よいと感じる香りがおすすめです。

ゆとりのあるスケジュール管理

予定がギチギチに詰まっていると、気持ちに余裕がなくなり、気が上手く流れることができません。スケジュールに余白を作り、ゆったり過ごすことが大切です。

とくにイライラしやすい生理前は、大人数の集まりや遠出の予定を減らすなど工夫しましょう。疲れやストレスを溜めないように心がけることが大切です。

薬剤師ライター

山川裕子さん

大量の飲酒も、体の負担になるため控えましょう。

つらい場合は漢方薬も活用しよう

生理前のイライラは、普段からのセルフケアで解消できます。香りの良い食材を取り入れて、ストレスを溜めない生活を意識してみましょう。

イライラするのは体からのSOSと捉え、自分自身を労ることが大切です。

PMSの症状を改善するために、漢方薬を使うこともあります。つらくて悩んでいる場合は一度、医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。

ママが笑顔でいることは、家族の笑顔につながります。

薬剤師ライター

山川裕子さん

まずは毎日頑張っている自分を認め、心と体を整えていきましょう。

参考

[1] 厚生労働省 山口労働局>【山口労働局×大塚製薬】働く世代の健康づくり推進に向けた包括連携に関する協定>「知って対策PMS」

[2] 白土なほ子、PMS,PMDDの診断と治療ー他科疾患との鑑別ー、昭和学士会誌、2017年、第77巻、p360〜366

[3] 2021年、株式会社じほう、川添和義、生薬の働きから読み解く図解 漢方処方のトリセツ 第2版、p10〜15

[4] 2018年、株式会社ソーテック社、水田小緒里、 オトナ女子の薬膳的セルフケア大全、p41

[5]2024年、株式会社自由国民社、川手鮎子、心も体ももっと、ととのう 薬膳の食卓365日、p122〜127 

この記事の執筆者

薬剤師ライター: 山川 裕子 さん

慶應義塾大学薬学部を卒業後、大学病院および調剤薬局に勤務。母になり、日々の小さな不調に目を向けセルフケアを行う重要性を再認識。東洋医学について学びを深め、漢方薬剤師として発信や養生アドバイスを行う。

2024年にライター活動を開始。「何歳になっても自分を大切にして人生を愉しみたい」と思えるような文章を、心がけています。

X:https://x.com/yuko94107ym
Instagram:https://www.instagram.com/ritomama_kosodate/?hl=ja
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