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生理前、子供や旦那にイライラしてない?月経前症候群(PMS)を知って本来の自分を取り戻そう

仕事や家事育児に追われる生活の中では、自分の思うようにならないことが多いですよね。特に子育て中は、予定通りにいかないこともたくさん出てきます。家事をしたいのに子どもに呼ばれたり、下の子のお世話をしていると上の子がイヤイヤいったり、旦那さんがひとりくつろいでいたり。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

筆者は5児の母ですが、子育て中にイライラしてしまうことが多く大変でした……。

「子どもや旦那さんにイライラしてしまう」「どうして周りの人に優しくできないのだろう」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

そんな毎日の中で、特にイライラする日を記録してみると、生理周期と一致している日に気がつきませんか?あなたのイライラは、月経前症候群(PMS)が原因かもしれません。月経前症候群について知り、少しでも本来の自分を取り戻しましょう。

目次

月経前症候群(PMS)とは?

月経前症候群(PMS)とは、生理前の3〜10日間続く精神的・身体的症状です。
生理が始まると、人によっては軽くなったりなくなったりします。生理がある日本人女性の70〜80%は、月経前症候群(PMS)による何らかの症状があり、5%ほどは生活に困難を感じるほどの強い症状が見られるようです。[1

月経前症候群(PMS)の症状は200種類以上あるといわれており、1つでも症状があれば、月経前症候群と診断されます。

月経前症候群診断基準(米国産婦人科学会)

*:これらの症状は月経開始後 4 日以内に症状が解消し,少なくとも 13 日目まで再発しない.いかなる薬物療法,ホルモン摂取,薬物やアルコール使用がなくとも存在する.その後の2周期にわたり繰り返し起こる社会的,学問的または経済的行動・能力に,明確な障害を示す.

引用:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023 P.190 / 公益社団法人 日本産科婦人科学会.公益社団法人 日本産婦人科医会

月経前症候群(PMS)の主な症状について、見ていきましょう。

代表的な6種類の身体の不調

身体的症状の主なものには、以下のような症状があります。

  • 腹痛
  • 頭痛
  • 腰痛
  • むくみ
  • お腹の張り
  • 乳房の張り

「なんだか下腹部に違和感がある」「体重が増えてしまう」「胸が揺れたときに痛いと感じる」など感じたことはないでしょうか。

代表的な11種類の心の不調

精神的症状の主なものを以下に示します。

  • 情緒不安定
  • イライラ
  • 抑うつ
  • 眠気
  • 集中力の低下
  • 睡眠障害
  • のぼせ
  • 食欲不振
  • 過食
  • めまい
  • 倦怠感

「つまらないことで子どもを怒鳴ってしまった」「旦那さんのすること、なすことイライラしてしまう」「集中すればできるのに気が散って物事が進まない」「とにかくお腹いっぱい食べてしまう」などと感じることはないでしょうか。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

精神症状が強い場合には、月経前不快気分障害(PMDD)*の可能性もあります。

*月経前不快気分障害(PMDD)とは、著しい感情の不安定性やいらだたしさ、怒りや対人関係の摩擦の増加、抑うつ気分、不安や緊張などの症状をほとんどの月経開始前に認め、月経開始数日以内に軽快する状態。我が国での頻度は1.2%とされている[1

月経前症候群(PMS)の原因は女性ホルモン

多くの症状を引き起こす月経前症候群(PMS)の詳細な原因はわかっていませんが、女性ホルモンが関わっているようです。

引用健康寿命を伸ばそうSMART CARE PROGECT,「女性ホルモンとうまく付き合っていくには?」[2]

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

女性ホルモンと月経前症候群(PMS)の症状の関係性について、詳しく知っていきましょう!

女性ホルモンについて

女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲストロンというホルモンがあります。排卵が起こると、この2種類のホルモンが多く分泌します。生理前にはどちらのホルモンも量が低下し、脳内ホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすのです。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

脳内ホルモンや神経伝達物質は、ストレスの影響を受けるので、女性ホルモンの変動の他にも多くの要因があります。

症状が出やすい年齢

月経前症候群(PMS)の症状は、20代〜30代に出やすいといわれています。20代は乳房の張りや下腹部痛など、身体の不調が強く見られます。しかし、30代は情緒不安定になる、イライラするなど、心の不調が出やすくなるでしょう。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

出産経験のある女性は心の不調を、出産経験のない女性は身体の不調を認めることが多いようです。子育てをしている女性は、特に心の不調が出現しやすい状態と考えられますね。[3]

症状が重くなる原因

不規則な生活が続いている、生活の中でストレスが大きい環境では、症状が重くなるといわれています。仕事や家事育児などで忙しい30代は、ストレスにより症状が重くなる悪循環がおきているかもしれません。

また、BMI>27.5で有病率が上がると報告されています。[1]
BMIとは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数で、数字が大きいほど肥満度が高くなります。

【BMIの計算式】
BMI=体重kg÷(身長m)×(身長m)[4]

臨床検査技師

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ゆずさん

例えば、身長160cmで71kgの場合は、BMIは27.73です。

月経前症候群(PMS)での悩みを軽減する方法を紹介

月経前症候群(PMS)の症状を認めていても、何も対処していないという方が60%と半数以上です。しかし、忙しい日常生活でも簡単に取り入れられる、症状を軽減できる方法はたくさんあります。[5]

薬を使わない3つの治療

まずは、すぐにでも取り入れられる薬を使わない治療です。いろいろ試して、自分に合うものを見つけるといいでしょう。[6]

①リラックス法

アロマセラピーや音楽を聴く、ゆっくり入浴するなど、自分が気持ちいいと思えるものを取り入れましょう。2秒かけて息を吸い、3秒かけて吐くなどのゆっくりとした呼吸法も、短時間でリラックスできます。仕事や家事育児などで忙しい毎日でも、しっかりと休息をとることが大切です。

②食生活

朝食をきちんと食べ、過食や糖質、脂質の多い欧米型の食事は避けましょう。カルシウムを含む乳製品や大豆製品、ビタミンB6を含むまぐろなどの魚やレバーなどを摂取しましょう。アルコール、カフェイン、喫煙は控えるのがいいでしょう。[7][8]

③運動療法

ジョギングやウォーキング、水泳など適度な運動をおこなうことにより、予防や症状の軽減に効果があります。子どもと一緒に追いかけっこをするのもいいですね。

薬による3つの治療

薬を使わない治療で軽減できない場合には、薬を服用することも検討しましょう。[9]

①排卵抑制療法(排卵を抑える)

月経前症候群(PMS)の症状は、排卵が起こり、女性ホルモンの変動があることによってが出現します。「低用量経口避妊薬(ピル)」を服用し、排卵を止めることで症状は軽くなるでしょう。ピルは服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用をやめるとすぐに排卵は回復します。ピル服用中止後の妊娠には影響を与えません。

②症状に対する治療薬

痛みに対して「鎮痛剤」、むくみに対して「利尿剤」、イライラなどの精神症状に「精神安定剤」などを使用します。

③漢方療法

漢方薬は、個人の症状や体質に合わせて、医師が処方します。​​​​むくみに対して「五苓散」、しつこい便秘やお腹の張った感じには「桃核承気湯」がおすすめです。病院での処方以外にも、薬局やネットでも購入できます。[10]

症状日誌での記録もおすすめ

症状日誌を記録するだけでも、精神的・身体的症状を和らげることにつながります。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

まずは自分の症状を正しく知り、周囲に知ってもらうことが大事です。

イライラしても「月経前だから」と分かっていれば、自分も周囲も理解が生まれますよね。周りに理解してもらうことで、症状を訴えたり、協力を得たりしやすくなるでしょう。

手軽に始められる方法として、「PAIRCARE(ペアケア)」というLINEツールがあります。
ペアケアのLINE公式アカウントと友だちになると、生理に関するお知らせが届きます。生理周期や症状を記録し、家族や恋人と状況の共有ができるので、自分から言いにくい体の変化も周りに伝えることができます。

引用:PAIRCARE

また、予定を組む際も「この日は体調が優れないかもしれない」と分かっていれば、ストレスがかかる出来事を別日に変更できますよね。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

家事の負担軽減のために、作り置きのおかずを準備しておくという対処法もおすすめです。

月経前症候群(PMS)の症状がひどい場合は医療機関に相談しよう

この記事では、月経前症候群(PMS)について紹介しました。
「子どもにイライラしてしまうのは仕方ない」「歳をとったから集中力がなくなってしまったんだ」とあきらめていたけれど、月経前症候群(PMS)の症状だったのかもしれないと感じた方はいるのではないでしょうか。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

そんな方は、まず症状を感じる日を記録してみましょう

食事の改善や手軽な運動など、手軽に始められる改善法も多くあります。少しでも生活に取り入れ、本来の自分を取り戻しましょう。自分の機嫌が良いと、家族や周りも影響をうけますよね。イライラと家事育児の手伝いを頼むよりも、前向きに周りに相談したほうが話し合いもスムーズになるでしょう。

臨床検査技師

ライター

ゆずさん

月経前症候群(PMS)について知ることが、今よりもっと幸せな生活を送れるきっかけとなるかもしれません。

症状がひどい場合や改善しない場合は、婦人科の受診をおすすめします。病院で調べた上で、あなたに合った治療やセルフケアを選択して、月経前症候群(PMS)と上手に付き合っていきましょう。

この記事の執筆者

臨床検査技師ライター:星野 ゆずさん

国立大学保健学科卒。臨床検査技師として総合病院に勤務。現在は副業として、医療ライターやワンオペ5人ママでも楽しむ子育て雑記ブログの運営を行っています。「困っている人に役立つ情報を提供し、少しでも日々の生活が豊かになってほしい。」「子育てをほんの少しの工夫や考え方を変えることで楽しんでほしい。」と思い、執筆活動をしています。

X(Twitter):https://twitter.com/yuzu5mama
​​​​ブログ:https://yuzuyuzucrepe.com/
ゆずさんも受講した、Medi+の「医療ライターのはじめかた」講座とは?

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