「私が頑張らなくっちゃ」と責任感が強いあなた。女性の40代~50代は、仕事では重要なポジションをまかされたり、子供が巣立ったり、親の介護が始まったりと変化が多いストレスフルな時期ですよね。
ライター
花城ねねさん
そんな毎日の中で「最近、しっかりと眠れていなくて辛いな」と感じている方も多いでしょう。
今感じている睡眠の不調は、更年期の症状のひとつかもしれません。
この記事では、更年期になると、眠りが不調になる原因とその対策を紹介していきます。
更年期になると睡眠が浅くなるのはなぜ?
「眠れない」といっても、「寝付きが悪い」「夜中に何度も目がさめる」など症状は人それぞれ。ここでは、更年期女性特有の「体がカーっとあつくなって、夜中に目覚めて眠れた感じがしない」という眠りの不調について原因をみていきます。
女性ホルモン(エストロゲン)の変動による波
女性は女性ホルモン(エストロゲン)変動の波に、心身ともに揺さぶられます。とくに更年期では、女性の健康を守ってくれているエストロゲンの分泌量が低下するため、あらゆる心身の不調がでやすくなります。
自律神経系の変調
「夜間に体がほてり、眠れない」のは、夜間のホットフラッシュが原因です。ホットフラッシュとは、自律神経が乱れ、血管の拡張や収縮のコントロールが難しくなり、体のほてりやのぼせ、多汗の症状がでている状態をいいます。
脳にある視床下部という場所は、自律神経調整と女性ホルモン分泌の司令塔です。自律神経と女性ホルモンは司令塔が同じなので、お互いに影響しあっています。
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花城ねねさん
女性ホルモンのバランスが崩れやすい更年期には、自律神経のバランスも崩れやすくなるためホットフラッシュが起こり、眠りの不調につながってしまうでしょう。
眠りを良くするための生活習慣とコツ6選
ホルモンバランスや自律神経を整えるためには、生活習慣の見直しが効果的です。【1】
睡眠指針に沿いながら、生活習慣を改善し、眠りをよくしていきましょう。
朝は、太陽の光で体内時計をリセット
朝起きたら、すぐにカーテンを開け太陽の光を浴びましょう。目から入った光は、ヒトの体内時計を24時間に調整するのに効果的です。
外界は24時間ですが、ヒトの体内時計は24時間よりも少し長めだと言われています。体内時計をリセットせずにそのままにしておくと、就寝時間がだんだん遅くなり、生活が後ろに伸びていきます。
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花城ねねさん
そこで必要なのは、太陽の光。なるべく同じ時間に起床し、すぐに朝日をあびましょう。すると体内時計が24時間にリセットされ、生活リズムが整い、夜もしっかりと眠れるようになります。
3食は規則正しく
栄養バランスのとれた食事を規則正しく3食とることは、生活リズムを整えることに役立ちます。
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花城ねねさん
良い眠りのために特に重要なことは、朝食をとること。とくにトリプトファンというアミノ酸を多く含む乳製品、納豆、卵、魚、肉などを朝食でとることがオススメです。
トリプトファンを朝食でとり、太陽の光を浴びるとセロトニンというホルモンが合成されます。セロトニンは元気のもとで、ひとを活動的にしてくれます。日が落ちると、セロトニンが睡眠を促すメラトニンというホルモンに変わり、ぐっすりと眠れるようになります。
【2】
良い睡眠のためには、トリプトファンを含む朝食をとり、太陽を浴びることが大切です。
日中は適度に体を動かそう
適度な運動が習慣になると、ぐっすりと眠りやすくなります。軽く汗ばむ程度の有酸素運動(例えば、早足での散歩、軽いランニングなど)を夕方から夜の間に行うと、睡眠に良いとされています。ただし、就寝前の激しい運動は、体を興奮させてしまうので注意してください。せっかく運動しても目が冴えてしまっては残念ですよね。
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花城ねねさん
運動が苦手で運動が続かない。そんな人はまず、生活のなかで体を動かすことからはじめましょう。
例えば、なるべく階段を使うようにする。階段を使う時には「この筋肉に効いている運動だ」と意識してみる。最初は気軽にできる小さなことからはじめてみましょう。
就寝前はリラックスしよう
就寝時間が近づいてくると、脳は覚醒状態からリラックス状態に移っていきます。そのままスムーズに眠れるように、脳の変化にあわせてリラックスしていきましょう。
「お湯に浸かり、1日の疲れをとる」と言われるように、入浴もリラックス方法の一つ。入浴後は体温が上がるので、寝付きやすくなると言われています。就寝の2時間前までには入浴を済ませてリラックスしておきましょう。
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花城ねねさん
睡眠を促すための入浴には、時間や温度の目安があります。【3】
38度のぬるま湯なら25分~30分、42度の熱めのお湯なら5分、半身浴なら30分汗ばむ程度が良いとされています。自分の体調にあわせて、工夫してみてくださいね。
寝室の環境を整えよう
明るい光や青白い光には覚醒効果があります。脳は眠りにむけてリラックスしたいのに、寝室が青白い全灯照明になっていると目が覚めやすくなります。
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花城ねねさん
また、就寝前にパソコン、タブレット、スマホを見るのはやめましょう。光や情報の刺激で、脳が覚醒してしまいます。
夜になったら、暖色系の弱い光に切り替え、眠るための準備をしましょう。就寝時に真っ暗になると不安な方は、足元灯をつけても良いでしょう。
寝室が寒すぎても暑すぎても、睡眠のためによくありません。室温が低すぎると手足が冷え、寝付きが悪くなります。逆に室温や湿度が高すぎると体の熱がこもり、眠りづらくなります。室温や湿度は心地よい範囲で調整しましょう。
眠くなってから床につく
就寝時刻にこだわり過ぎず、眠くなってから床につくようにすれば、スムーズに寝付けます。
早めに寝床につき、無理に眠ろうとすると、「眠ろう」という意気込みで緊張してしまい、かえって寝付けなくなることはあります。寝付けない時には、布団の中で頑張らず、床を一旦出て、リラックス法を試して眠気がくるのを待ちましょう。
寝床につくのが遅くなっても、起床時間は遅らせずに、同じ時間に起きるようにしましょう。
更年期の変化を受け入れながら、生活習慣を整えて充実した日々を送ろう
更年期の女性は、ホルモンバランスや自律神経の乱れから不調になったり、老いを感じて寂しくなったり、仕事や家庭環境の変化でストレスを溜め込んでいたり、ひとりで色々な悩みと付き合っています。
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花城ねねさん
まずは頑張りすぎを少しストップしてください。そして、ぐっすりと眠るためにも生活習慣を整えてみましょう。
十分な効果がなければ、ひとりで抱え込まず、病院や専門家に相談してくださいね。
作業療法士ライター:花城ねねさん
作業療法士。現在は、精神科の訪問看護部に勤務。
利用者様のご自宅へ訪問し、その方の価値観にあわせながらリハビリを提供している。暮らしと思いに寄り添えるよう、日々奮闘中。「穏やかに、健康的に過ごせるようなヒントになる情報を届けたい」そんな思いでWebライター活動を開始。プライベートでは、老犬と過ごす時間を大切にしている。
花城ねねさんも受講、「医療ライターのはじめかた」講座はとは?
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