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【歯科衛生士がオススメ】ホワイトニング歯磨き粉の選び方

久しぶりに友人と会ったときに、ふと友人の歯を見て「あれ?こんな色だっけ?」と感じたことはありませんか。それをきっかけに自分の歯をチェックすると、以前より黄ばんでいる気がすると思う方もいらっしゃるかもしれません

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

ホワイトニングという言葉は聞いたことはあるけれど、歯医者さんに行ってまで相談する時間のない方へ向けて、歯科衛生士がホワイトニング歯磨き粉の選び方を紹介します。

目次

私たちが歯磨き粉を使う理由

みなさんは歯磨きをする時は、歯磨き粉を使っていますか?
あなたはなぜ、その歯磨き粉を選んで使用しているのでしょうか?

『歯の汚れを取る』という目的であれば、歯磨き粉を使わなくても歯ブラシだけで汚れは約60%落とすことができると言われています。[1
それでは、なぜ私たちは歯磨き粉を使うのでしょうか。

答えは、成分によって口の中に及ぼす作用が変わってくるからです

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

値段や香りだけでなく、歯磨き粉の成分や目的と口の中の悩みを照らし合わせて選ぶことが、歯磨き粉選びのポイントとなります。

歯が黄ばむ4つの原因

虫歯がなく白く美しいのが歯の本来の姿ですが、さまざまな原因によって黄ばんでしまいます。歯が黄ばんでしまう4つの原因を知っていると、あらかじめ対策ができるかもしれません。[2

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

歯が黄ばんでしまう、4つの原因についてご紹介します。

①生活習慣
赤ワインやコーヒー・紅茶、カレーなど色素が濃くステインとして歯に付着してしまう嗜好品の摂取や、タバコのヤニ、ヨード系やクロルヘキシジン系の洗口液などによる着色などがあります。

②磨き方
1日の歯磨きの回数・磨く時間・歯磨きの仕方・使用しているツールなどによって、歯に磨き残しがあると黄色くみえます。

③歯の外的要因
虫歯や虫歯の初期状態での歯の変色、治療した詰め物の色の変色などがあります。

④歯の内的要因
加齢とともに歯の内側の象牙質が厚くなって象牙質の黄色みが透けて見える、胎児期の薬の作用による、などで歯の変色が起きることがあります。虫歯やケガなどによって神経が無いことも、歯が変色する要因の1つです。

ホワイトニングの種類を知ろう

ホワイトニングとは、歯に沈着した汚れの除去または漂白剤などの薬剤を使用して歯を白くする方法です
メリット・デメリットもさまざまなので、自分の生活習慣に合った方法を選んでみましょう。

ホームホワイトニング

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

専用のマウスピースに漂白剤を入れて30分〜1時間装着します
歯が白くなるのには1か月ほどかかりますが、綺麗に白くなりますよ。

メリット・自宅で自分のペースでできる
・専用のマウスピースを作成するので、薬剤があれば何度でもホワイトニング可能
・オフィスホワイトニングよりは安価
デメリット・白くなるのに時間がかかる(1か月程度)
・毎日装着(30分~1時間)しないと効果が出にくいのでめんどくさがりの人には向いていない。

オフィスホワイトニング

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

歯科医院で漂白剤を塗布してもらい白くしていく方法です
短時間で白くなりますが、すぐ元の色に戻る可能性があります。

メリット・歯科医院で施術してもらえるので自分では何もしなくていい
・1回で白くなる効果が高い
デメリット・1回の施術に2時間ぐらいの時間がかかる
・すぐ元の色に戻る

ホワイトニング歯磨き粉

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

普段からホワイトニング歯磨き粉を使用し、歯に付いている着色汚れを落とします
本来の歯の色は白くなりません。

メリット・普段の歯磨き粉を変えるだけでいい
・歯科医院に行かなくていい
デメリット・本来の歯は白くならない
・継続的に使用しないといけないものもあるので値段によってはコストがかかる

歯磨き粉を選ぶ際にチェックするポイント5つ

歯医者に行くまでもないし……とりあえず歯磨き粉で歯の黄ばみが改善できないかな。
と考えた際に、今やドラッグストア、コンビニ、セレクトショップ、ネット販売など
さまざまなお店で数十種類、数百種類の歯磨き粉を見かけますよね。
しかし、選択肢が多すぎると「私に合った歯磨き粉ってどれ?」と悩んでしまうことも。

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

数ある歯磨き粉の中から、選ぶ際にチェックするポイントをお伝えしていきます。

①成分

ホワイトニング歯磨き粉に含まれている主な成分は以下になります。

ステイン付着防止・ポリリン酸ナトリウム
・ポリエチレングリコール(PEG)
・ポリビニルピロリドン(PVP)など
歯石沈着防止・ポリリン酸ナトリウム
・ゼオライト
・塩酸クロルヘキシジン
・塩化リゾチーム など
タバコのヤニ除去・ポリリン酸ナトリウム
・マクロゴール400(ポリエチレングリコール)
・ポリビニルピロリドン(PVP)など


ポリリン酸ナトリウム(分割ポリリン酸)はホワイトニング歯磨き粉によく含まれる汎用性の高い成分になります。[3][4][5

②目的

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

歯磨きをして歯が白くなるだけでいいのでしょうか?
せっかく歯磨きするのであれば、虫歯や歯周病・口臭も予防したいですよね

歯磨き粉によく含まれる成分は以下になります。[6][7][8

虫歯予防・フッ化ナトリウム
・モノフルオロリン酸ナトリウム
・フッ化第一スズなど
歯周病予防・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
・塩化セチルピリジニウム(CPC)
・塩酸クロルヘキシジン(CHX)など
炎症抑制・グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)
・トラネキサム酸(TXA)
・酢酸トコフェロール(ビタミンE)など
知覚過敏・硝酸カリウム
・乳酸アルミニウムなど
口臭ケア・ラウリルイルサルコシンナトリウム(LSS)
・塩化ベンザルコニウム
・ラウロイルサルコシン
・緑茶成分 など
再石灰化*・フッ化物
・ハイドロキシアパタイト など

再石灰化*:食べ物などを摂取すると口の中は酸性になり歯が溶けだします。唾液などにより溶けだしたカルシウムやリンを歯の表面に戻すこと。

気になる口の中の症状に合わせて、歯磨き粉の成分を選んでみても良いでしょう。

③研磨剤の有無

研磨剤は、歯磨き粉によっては清掃剤として配合されている場合もあります。
汚れを取るという点では大変助かりますが、研磨粒子の大きさ、歯磨きの力加減や頻度によっては、歯や歯ぐきにダメージを与えてしまう場合があるため注意が必要です。[9

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

歯に付き始めの汚れであれば、歯ブラシをしっかり当てれば取れるので、気になる汚れが付き出した時のみに使用する(例えば週1回)など、使用方法を工夫するといいでしょう

配合されている成分としては、以下が清掃剤や研磨剤として当てはまります。

  • 炭酸カルシウム
  • 無水ケイ酸
  • リン酸水素ナトリウム など

④発泡剤の有無

発泡剤には、泡立つことによって口の中にいち早く成分が行き渡るというメリットがある反面、成分が行き渡り磨いた気になってしまい、ブラッシングが不十分になってしまうというデメリットがあります。[10

「しっかり磨いて汚れを落としたい」のであれば、発泡剤無配合の物を選択してもいいのかもしれません。配合されている成分としては、以下が発泡剤として当てはまります。

  • ラウリル硫酸ナトリウム
  • ショ糖脂肪酸エステル
  • ラウリルイルサルコシンナトリウム など

⑤形状

歯磨き粉は毎日使用する物です。
口の中の気になる症状に合った歯磨き粉を見つけても、長く使い続けなければ効果はでません。自分の生活スタイルに合った形状の歯磨き粉を選びましょう

ペーストタイプ発泡剤が含まれている物が多く成分が口の中に行き渡りやすいので、使用量が少なく経済的です。
ジェルタイプ粘着性が高いため歯の表面に付着しやすいです。
発泡剤無配合の物が多く、電動歯ブラシを使用している方でも問題なく使用できます。
液体タイプ口に含んでゆすぎ、そのあと歯磨きをします。
液体なので口の中に素早く成分が広がります。
パウダータイプ粉状で水分を含んでいないため高濃度に成分を配合しています。粒子は細かい物が多いですが、清掃剤が入っている物もあるので磨き方には注意が必要です。

「歯の黄ばみ」がなくならない場合は、歯科医院で聞いてみよう

自分に合う歯磨き粉の成分は見つかりましたでしょうか?
残念ながら、現在(2023年3月時点)の日本で販売されているホワイトニング歯磨き粉では、歯本来の色まで白くする事はできません。[11

気になる黄ばみが汚れやステインではない場合は、歯科医院でのホワイトニングが必要な可能性があります。

歯科衛生士

ライター

岩﨑まりさん

歯科医院で行うホワイトニングは痛くありません。
「虫歯の治療で痛い思いをしているので、歯科医院にはあまり行きたくない……」と思っている方も、痛くないホワイトニングから歯科医院に行ってみませんか

参考

[1]竹下萌乃,岡澤悠依,加藤啓介〉歯ブラシにおける毛先形状の違いがプラーク除去に及ぼす効果〉口腔衛生学会雑誌2022年72巻2号〉PDFページ5
[2]福島正義〉変色歯治療の過去、現在、未来〉新潟歯学会雑誌2009年39巻2号〉PDFページ3
[3]田中 智久, 寺島 実華子, 池谷 侑紀, 川添 祐美, 柴 肇一, 真鍋 厚史〉ステイン除去および沈着防止に最適な鎖長の無機ポリリン酸による脱灰抑制効果〉日本歯科保存学雑誌2021年64巻2号〉PDF9ページ
[4]萩原 めぐみ, 長田 保, 三宅 幹雄, 余吾 益弘, 菅沼 信夫, 高橋 昭記〉ポリリン酸ナトリウム配合歯磨剤の歯石形成予防効果に関する研究〉日本歯周病学会会誌1989年31巻3号〉PDFページ11
[5]薬用歯みがき類製造販売承認基準についてー厚生労働省〉PDFページ7
[6]沼部 幸博〉歯周病予防・歯周病対策の歯磨剤を考える〉日本歯周病学会会誌2014年56巻3号〉PDFページ2
[7]中嶋 省志〉歯磨剤の成分と虫歯予防フッ化物の不思議〉化学と教育2017年65巻4号〉PDFページ2
[8]ライオン歯科衛生研究所〉歯磨き剤
[9]小高 鐵男〉研磨剤入り歯磨剤を用いたブラッシングのエナメル質と象牙質に及ぼす影響〉昭和歯学会雑誌1997年17巻4号〉PDFページ2
[10]三畑 光代, 戸田 真司, 荒川 浩久〉歯磨剤および歯磨剤中の発泡剤が歯口清掃効果に及ぼす影響〉口腔衛生学会雑誌2000年50巻3号〉PDFページ10
[11]厚生労働省〉過酸化物を用いた歯面漂白剤の取り扱いについて

この記事の執筆者

歯科衛生士ライター:岩﨑まり(まりりん)さん

臨床11年・企業2年勤務・ニュージーランドへワーホリ経験もあり。現在は趣味の海外旅行が高じてヨーロッパに滞在しながら、企業で学んだ技術を活かすべく歯科衛生士の方へのパワポ作成や医療ライターとしても活動中。日本語教師の資格も活かし「シンプルにわかりやすく」をモットーにnoteにゆるーく執筆中。

Instagram:https://www.instagram.com/dh_marilyn

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