みなさんは自分の生理が’’ふつう’’だと思いますか?
生理は十人十色で、’’これが普通の生理’’と明確に定義づけられたものはありません。しかし、個人差があるものの’’正常な生理’’は医学的に定義されています。
まなさん
この’’正常な生理’’から外れている場合、あなたの生理には何か病気や体調不良が隠されているかもしれません。
女性にとって、生理は体の健康を確認する大切な指標です。
こちらの記事では、正常な生理について周期と血の量の視点から解説してます。
まなさん
なかなか周りの人と比較しにくい生理の気になる疑問を、ヘルスケアの専門家である薬剤師と一緒にチェックしましょう!
正常な生理周期とは
生理(月経)は、ある一定の周期で起こる子宮内膜からの出血のことです。
生理周期には個人差があります。生理の前や生理中に体調が悪くなる方もいるでしょう。その時の症状も人それぞれです。
しかし、個人差があると言っても極端な場合は、体の異常を知らせるサインかもしれません。
まなさん
自分の生理が正常の範囲に収まっているかどうか確認してみましょう
生理周期の数え方
まずは、生理周期の数え方を確認しましょう。
生理周期は、出血が始まったその日を1日目とし、次の出血が始まる前の日までを1周期として数えます。
まなさん
例えば、11月1日に生理が始まって、次の生理が11月28日に始まったという場合は1周期が28日ということです。その場合、「生理周期は?」と医師などに尋ねられたら、28日周期ですという回答になります。
3周期ほど数えてみると、自分のおおよその周期がわかってくるはずです。
体調やストレスの影響でずれてしまうことはよくあることです。毎月少しずれてしまうとしても、極端なずれでなければ心配はいりません。
正常な生理周期
医学的に正常な生理周期は、25日から38日と定義されています。[1]この範囲より短かったり長かったりすると、生理不順の可能性があります。
「毎月少しずれてしまう」と不安に思う方もいるかと思いますが、6日以内のずれであれば正常なので心配はいりません。
1週間以上生理が遅れている場合は、生理不順の他に妊娠の可能性が考えられます。
もし覚えのある性交がある場合は、市販の妊娠検査薬の使用や婦人科の受診を考えましょう。妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から検査することができます。
生理が始まってすぐの10代の方や更年期にさしかかった方は、ホルモンの変化が安定しないため正常な生理周期から外れてしまうことが少なくありません。
まなさん
生理が周期的にきちんと来ているはずの20代から40代半ばで、生理周期が乱れている方はすぐに受診した方がよいでしょう。
生理の時の、生理の血の量とは
続いて、生理の血の量について確認しましょう。
生理の量にも個人差がありますが、正常とされる量はおおよそ決まっています。
正常な生理の血の量
正常な出血の持続期間は3〜7日です。[1]
2日以内で出血が終わる生理を過短月経、8日以上出血が続く生理を過長月経といいます。
出血期間中の正常な経血の総量は37〜43mLです。
まなさん
80mLを越えると60%以上の女性は貧血になると言われています。血の量が20mLより少ないと過少月経、140mLを越えると過多月経と定義されています。[1]
経血量を推測する方法
「mLと言われても、生理の血を計量カップで量るわけにもいかないし……。」と思われるかもしれません。実際、診断をする時も量をきっちり測っているわけではないのです。
生理の血の量は一般的に、ナプキンなどの生理用品の交換回数で推測します。
- 昼でも夜用のナプキンが必要
- 昼用のナプキンが1時間ほどしかもたない
- タンポンがしぼれそう
- レバーのような血の塊がよく出る
などがあれば、過多月経の可能性があります。
まなさん
「生理の量が多いのかな?出血期間が長いのかな?これって貧血の症状かな?」と思うことがあれば、一度婦人科で相談してみると良いでしょう。
過多月経が問題となることは多いですが、過少月経は治療が必要になることは少ないです。しかし、まれに過少月経にも病気が潜んでいることも。「普段の生理に比べて量がかなり少ない」など気になることがあれば、受診をおすすめします。
まとめ
この記事では、生理の正常な周期と血の量について解説しました。いかがでしょう?自分の生理を見直すことができたでしょうか。
生理は女性にとって、体の健康を確認する大切な指標です。
また、生理が正常であるということは、妊娠できる体であるという指標にもなりますよね。
生理の異常を放置しておくと、将来の不妊や流産などにつながる可能性が高いと予測されます。妊娠を考えていない場合でも、放置すると卵巣や子宮の病気の悪化や将来骨粗鬆などの病気につながる可能性が考えられるのです。
まなさん
生理は個人差が大きくなかなか周囲の人と比較することが難しく、尋ねづらいこともあるのではないでしょうか。
「私の生理ってヘンかも……。」と思ったら、1人で悩まず婦人科を受診してみましょう。いきなり婦人科に行くことが難しいと思ったら、街の薬局にいる薬剤師がよい相談相手になります。
まなさん
薬局は処方せんを持っていなくても立ち寄ってよい場所なので、ぜひ薬剤師に声をかけてみてくださいね。
薬剤師ライター:保田 まなさん
神戸薬科大学卒。大手チェーン薬局を経験後、個人薬局へ。女性医学やジェンダーについて学び、ジェンダー関連の会社にも所属。「より多くの女性に正しい知識を届けたい」という思いから、女性の健康をはじめとしたヘルスケア記事を中心に、薬剤師Webライターとしても活動中。「正確な情報をわかりやすく」をモットーに、執筆活動をしています。
まなさんも受講した、Medi+の「医療ライターのはじめかた」講座とは?
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